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『…ん、』




目を開けると、天井が広がっていた。





あ、私生きてたんだ、って自分の不死身さに改めて驚かされた。




体は動かすだけで痛い。



そりゃそうだ
鬼に私、骨折られたんだっけ?

背中も斬られたし…





手を動かそうとした時、自分の手に違和感を感じた。


首から上だけを動かし、その正体を確認する







『…え、』





ベッドの脇に座って、ベッドに突っ伏すように眠っている金髪。

その両手は私の右手をしっかりと握っていて。






『…なんで…、』





せっかく、決心したのに。
また気持ちが引き戻される…




「ん、……」



その時、善逸が顔をこちらに向けた。
でもまだ寝ているようで、



瞼は赤くなっていて、目の下には涙の跡が残っていた






『私の為に、泣いてくれたの?』




そう尋ねてみるけど、返事は返ってこない。
……まぁ、寝てるし当たり前なんだけど。


でも善逸は寝てる間に聞いた言葉を覚えてるくらいだ、もしかしたら聞こえているかもしれない。



こんな事されると少し期待してしまう。
本当やめて欲しい、心臓に悪い





そういえば冨岡さんに謝らないと。
あとお礼も…




そんな事を考えていた時、金髪がモゾモゾと動き出した。





「………A、ちゃん?起きたの…?
目、覚めたの…!?」



『……善逸、』





目が合った瞬間、ガバッ!と勢いよく起きた善逸は、走って部屋を出ていってしまった。


目、潤んでたな…

可愛いな、本当





しばらくぼーっとしていると、
ドタバタと足音が聞こえてくる。


善逸が誰かを連れてきたのだろう。



病室は走っちゃいけねぇ。(威圧)






「目が覚めましたか?」



優しい声で私の顔を覗くのはしのぶさん。
心做しか、また悲しい顔をしている。





『………しのぶさん、ありがとうございます……』



途切れ途切れだけど、お礼する。




「…安静にしてなさいって言ったの、忘れてたんですか…?」


『ひ、ヒィィ……』





ゴゴゴゴゴ…と後ろに黒い何かが見える。
見えちゃいけないやつなんじゃないですか?それ…





「…でも、無事で何よりです」



しのぶさんは私をそっと抱きしめた。

…あ、いい匂い




じゃなくて!!





『あ、の、冨岡さんは…』


「あの人にはもう帰ってもらいました」


『え』






しのぶさんは怒っているようで、その表情は珍しく崩れていた。

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かっちゃん - 夢主ちゃん死なないよね!? (2019年10月20日 22時) (レス) id: 7eb86f363f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こ、怖っ!言ってる事が!怖い!!こわ (2019年10月20日 21時) (レス) id: 797ba5ed2c (このIDを非表示/違反報告)
美夏 - せっかく、夢主ちゃん幸せになったのに…!これからどうなるの!?気になる…(ソワソワ) (2019年10月20日 21時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 二人共幸せそうだからいいけど、信次郎と深琴が何か同盟みたいなの組みそうで怖い……。頼むから邪魔が入らないでくれぇ……!(入ってもいいけど最終的には幸せになってェ……!!) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 970ab90d10 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» よかった!もう邪魔が入りませんように(;▽;) (2019年10月20日 17時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 4時

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