推しと兄がリアルBLやり出した件。〈黄〉 (ページ12)

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11話ページ12

「…玲を、宜しくお願いします。」
その瞬間、玲達の顔がぱっと輝いた。
奏だけは落ち着きを取り戻し、さっきよりも柔らかい表情と声色で答えた。
「ありがとうございます。こちらこそ、宜しくお願いします。」
丁寧に頭を下げ、この場はまとまった。

「ふぅ、疲れたぁ…」
廊下で軽く伸びをして文字通り縮んだ体を引き伸ばした。
「お疲れ様、鈴」
玲は少しずれた眼鏡を掛け直してふわりと笑った。
「会社のプレゼンより頑張っちゃった」
冗談めかして笑ってみる。
「ありがとうございました。かっこよかったです、
お姉さん」
はて。
“お姉さん”？
「お、お姉さんなんて…年下なのにそんな…」
「え？」
「え？」

『え？』
奏と鈴の声が重なった。
どうやら、年上だと思われていたらしい。

「これまでも兄妹逆転して認識される事もなかった訳じゃないし、気にしなくて大丈夫ですよ」
失礼になってしまったと落ち込んでいる奏に声を掛けた。
「まぁ、元はといえば兄が可愛いのが原因ですから、」
こんな事をほざいているのはブラコンなのか、或いは腐女子の受けに対する謎の愛のせいなのか。
頭を捻っても、結局答えは出ずじまいだった。