転生したら苺の娘

17話 ページ18

幽霊になって分かった。
塩バカ痛い。
ジェルちゃんねるのクリボーが体全体に貼りつく感じと言えば分かると思う。つまりドライアイス。
しかもなーくんに投げつけられた塩は前に神連家行った時にぶちまけられてたやつの比じゃないぐらい痛かった。除霊力？とかが強いのかな。

…え、待てよ？
投げつけられたって事はなーくんに私が視えてた？
まずくない？

一旦距離置くか。
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｢なーくん、大変ってどういう事なん？｣
｢あのね、黄色は“判別の色”なんだ。｣
判別の色？
｢簡単に言うと、視界に居る霊がただの霊か悪霊かが分かる。俺はわからないんだけど、聞いた話によると悪霊には黒い影があるんだって。｣
｢悪霊？｣
｢正確には死後49日経っても現世に未練があって成仏できずに留まっている霊、かな。｣
｢ん、待って。｣
｢さとみくん？｣
｢…その能力、普通に良くね？｣
｢たしかし。｣
｢確かにそうですね…｣
｢いや、そういう問題でもないんだ。副作用…って言うのかな、悪霊が見えるだけでアレルギーみたいな感じで体が過度に反応してしまうから体調がおかしくなったり、酷いと失神しちゃうんだ。
しかも赤みが強いほど悪化する。
だから、活動や私生活に影響が出るかもしれない。｣
｢マジか…｣
｢何か解決策は？｣
｢解決策…というか予防策だけど、STPRとるぅちゃんの家中にうちの神社の塩撒いとくのが1番手っ取り早いかな｣
｢なーくん、それ建物ベタベタにならない？｣
｢うっ、確かに…札とかの方がいいかな？｣
そう言うやいなやいきなり机をさばきだす。
｢あれ、うーんと…あった、筆と墨と硯(すずり)と札！｣
｢なーくんの机どうなっとるん？｣
｢だよな、普通に仕事してたら会社の机から筆と墨と硯と札が出てくる事はない。｣
｢いやー、こういう事もあろうかと思って常備してあるんだ。｣
｢ピンポイントすぎます…｣
さらさらとお札に文字を書きつけていくなーくんの手元を覗き込むと危ないよ、と優しく顔を離された。
｢顔に墨ついちゃうからね。｣
｢さすがすとぷりのお母さん…｣
｢ままもり発動や…｣


｢よし、書けた！｣
｢おーー!!｣
オフィスの前に貼る。


後日、｢STPRオフィスの前に怪しげなお札が貼ってある｣とヒカリエ内で噂になったとかなってないとか…

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