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こんな小さな子供が一人で生きてなどいけない。
しかし、親戚中がローの引き取りを拒否した。
「父様も母様もいしゃだった。だからたくさん'ざいさん'があるって。でも、それがもらえないって知ったら、みんなおれのことなんていらないって」
なんてひどい話だと思った。
最初はこいつの家の財産目当てで引き取るといっていた親族どもが、その権利がないだけで拒否しただと。
子供が財産だのなんだのわかって話をするわけがねぇ。こんな小さなガキの前で全て話していたのか。
当事者となるこのガキの前で。
それからは誰も病室に来なくなった。
だから退院したら施設に行くことが決まっている。
「おれ、しせつなんて行きたくねぇから。なおらなきゃいいのにって思うんだ」
手元の本に目線を落としながらそう言うローの頭を抱き寄せた。
初めて触れたローの体は、スモーカーが想っていたよりもずっと小さかった。
振り払うこともせず、されるがままのローがまだまだ小さな小さな子供だと実感させるには十分だった。
「父様も母様もラミも、ほしになったって。人がしんでもほしにはならないけど、おれもつれていってほしかった」
この年の子供にしては十分な知識量を持っていて、人が死んでも星にはならないと現実的なことを言う子供が、それでもその空想に縋ろうとしている。
スモーカーはこんな時でさえ涙が出ないこの子供の頭を乱暴に撫でる。そして一つ、ある決心をした。
ローを一人にするのは憚られたが、スモーカーとローは病棟が異なる。
きちんと返さなければならない。なんとなくスモーカーは小児科まで行くことに決めた。
「おれ、ひとりでかえれるけど」
「知ってる。でも俺はまだ自分のとこに戻りたくねぇ。散歩ついでだ」
「わがままなやつ」
そうはいいながらも、ローは本を持っている本をスモーカーに渡して松葉杖を手に取った。
「松葉杖大変そうだな。おぶってやろうか」
「は！？いらねぇよ。じぶんであるける」
スタスタと一人でに中に入るローについていく。
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続く (更新停止中)
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作者名：きんぴら | 作成日時：2020年3月8日 23時
