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「女子高生にズボン下ろされた?」
いつになく上機嫌で
「あと〜。その拍子にポケットに入れておいた指輪、どっか行っちゃってん」
「はぁ?あほかよ!」
あっけらかんとした態度で何言ってんだこいつと思った。指輪ってあの指輪だよな…。まずそんな大事なものポケットに入れるか普通。情報量の多さに頭を抱えながらも、とりあえず訊くべきことは訊く。
「ちゃんと探したのか」
「デパート閉店してまでやったけど、見つからんかった」
「その女子高生は?」
「手刀打ち込んだら気絶しちゃって、いま客間で寝かせてる」
「あんっな簡単に逃走できるとこに寝かせんなよ…」
坂田は常に勘で動くところがあるから、こういうとき爪が甘いのだ。だから常に頭脳派の部下と行動させているのにどうしてこうなるんだよ。不平不満を上げればキリがない。…いや、今はなにより指輪か。
「二週間後の会食までにはなんとかしろよ。それまで指輪の紛失事件は極秘情報にすっから、当事者は全員口止めな」
「うぃ〜っす」
+++++
うらさんと別れて、Aちゃんを寝かせた客間に向かう。うらさんは客間だなんて爪が甘いとか警戒しろとか言ってたけど、一応見張りは付けたから大丈夫だと思う。あっ!見張りが変な気起こしたらまずいってことを伝えたかったのか。
「ただいま〜。Aちゃん起きた?」
「いえ…」
「そっか。じゃあもう帰ってええよ。ありがと!」
「失礼いたします」
無表情の見張りは、背中に垂らしたポニーテールを左右に揺らしながら去っていった。そういや女の構成員を見張りに付けたんだった。変な気起こすわけない。どーでもいいことを考えながら、ノックせずに部屋に踏み入った。
黒基調のシンプルなそこは、マフィアグループの客間だけあって広々としている。本来ならあんなことした不束者は即牢獄いきなんだけど、彼女の場合は本当に巻き込まれただけだからちょっとトクベツだ。
高級(たぶん)なベッドに身体を預けるAちゃんは、花柄の黄色いワンピースを着ていた。あんまり自分の好みとは合わない。気に食わないので着替えさせようかと部下に赤基調の服を持ってこさせたところ。
「…あ、起きた?」
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ろんでるで(プロフ) - 愛河Ayaさん» コメントありがとうございます〜!書き方は少々工夫しているので、そう仰って頂き光栄です。応援ありがとうございます! (2022年1月16日 11時) (レス) id: 457f966757 (このIDを非表示/違反報告)
愛河Aya - 書き方が好みなのとお話やパロがすごく好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2022年1月15日 23時) (レス) id: 46595dc54d (このIDを非表示/違反報告)
ろんでるで(プロフ) - ハツル氏さん» コメントありがとうございます〜!更新頑張りますね。応援ありがとうございます! (2022年1月8日 0時) (レス) id: 457f966757 (このIDを非表示/違反報告)
ろんでるで(プロフ) - 凛月花さん» コメントありがとうございます〜!描写や構成は力を入れた部分なので、お褒めいただき嬉しい限りです。前作に続きお読みくださりありがとうございます! (2022年1月7日 23時) (レス) id: 457f966757 (このIDを非表示/違反報告)
ハツル氏 - いつも応援してます!更新頑張ってください! (2022年1月7日 20時) (レス) id: 5982f92ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろんでるで | 作成日時:2022年1月6日 18時