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少し埃っぽい物置の中から探し出した紺色のローブを頭から被り、私は鬱さんと一緒にこっそり城を出た。


不安と少しのワクワク感に包まれながら、隣に居る彼に呟く。






『街の人たちは、私の顔を知ってるんです。これで本当にバレないんですか…?』


「城から出ないお姫様がまさか薄汚いローブ着て外に出てるなんて誰も思いもせえへんよ」






彼の言葉を信じ、ぎゅっとフードの縁を握って深く被り直す。


鬱さんはその様子にふっと軽く笑って私の手を取った。






「そんな緊張しとったら逆に目立つで?僕やと頼りないかな」






安心させるように言った彼に、私は首を振る。






『そんなことないです。ついてくれるだけで凄く助かってるから…』


「ん、ほんなら良かった」






王に内緒で外に出たことに対して罪悪感が溢れそうになるけど、それを鬱さんが零れないように安心させてくれていた。


せっかくなら、楽しみたい。






「どこ行きたい?」


『えーっと…あ、あっちはどうですか?』






久しぶりに出た世界は、色んな店とたくさんの人で溢れかえっていた。


こんなに人が居るのに誰も私のことを見向きもしない。全然バレてないんだ、と密かに実感する。


しばらく鬱さんと回っていると、ひとつの店に目がいった。






『わ、綺麗…』






きらきら光るアクセサリーが並んでいて、思わず足を止め声を漏らす。
すると彼はすぐさま懐から何かを取り出して得意げな顔をした。






「今の僕はお金持ちだからね!何でも好きな物選びや?んふふ、金貨が13枚…」






やたらと楽しそうな鬱さんに、本当に良いのかと尋ねるけど答えはYESとしか返ってこない。


そんな彼にお礼を言って、私はアクセサリーへと視線を戻した。




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檸檬 - 性癖ドンピシャ。やばい、好きすぎて昇天しそう……あ、おそらきれーい。茶番はさておき、kn王の溺愛()っぷりも夢主ちゃんが無自覚に堕ちてるところも文章としてのレベルが高くて凄く読みやすい作品になってました!これからも応援します!!(長文失礼しました。) (2021年8月17日 0時) (レス) id: 92e2da3c03 (このIDを非表示/違反報告)
ぴくぴく - 凄く好みです更新頑張ってください! (2021年8月16日 11時) (レス) id: 27565d6148 (このIDを非表示/違反報告)
懐中電灯 - ん゛ん゛好きです(唐突)更新頑張ってください! (2021年8月15日 23時) (レス) id: 1e8e7af11e (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち - めちゃくちゃ好みの作品です…!作者様の無理のない程度で更新楽しみにしております! (2021年8月15日 21時) (レス) id: 15807a80a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - ういいいいいい好きです… (2021年8月15日 16時) (レス) id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤月セレン | 作成日時:2021年8月15日 1時

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