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しかしあの後も、鬱さんは何度も私の前に姿を現した。
王が出掛けては入れ替わりのように彼が来て、一緒に話をしてくれる。部屋でも、廊下でも城内の庭でも。
だんだんと打ち解けていった時、鬱さんがふと思いついたように声を出した。
「なあ、今日はいつもと違うことせえへん？」
『いつもと違うこと？』
何だろうと首を傾げる私を見て、ふっふ、と笑って言った。
「外の世界、気になる？」
『…！』
「ちょっとだけ抜け出そうや。一緒に」
『で、でも…ダメです。王が外は危険だからと…』
外には絶対出させてくれない。危ないからって理由で私は納得こそしているけど、決して興味が無い訳ではない。
だが、王との約束を破るのは…
「…ほんまはどうしたい？」
笑いを収めた鬱さんが、ベッドに座る私に目線を合わせて問いかける。
本当は。約束を破りたくない。けれど。
『……外、行ってみたいです。でも王と約束が、』
「Aちゃん、ええこと教えてあげる」
＿＿バレんかったら、世の中何してもええんやで。
顔が近付き、耳元でそう囁かれる。どくん、と心臓が大きく波打った気がした。
黙ったまま下を向いていると、鬱さんは私から離れて言う。
「沈黙は肯定ってことやな。大丈夫や、僕が楽しませるから」
おいで、と差し伸べられた手を、私はゆっくりと取った。
好奇心に負けた自分を、果たして神は許してくれるのだろうか。
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檸檬 - 性癖ドンピシャ。やばい、好きすぎて昇天しそう……あ、おそらきれーい。茶番はさておき、kn王の溺愛（）っぷりも夢主ちゃんが無自覚に堕ちてるところも文章としてのレベルが高くて凄く読みやすい作品になってました！これからも応援します！！（長文失礼しました。） (2021年8月17日 0時) (
レス) id: 92e2da3c03 (このIDを非表示/違反報告)
ぴくぴく - 凄く好みです更新頑張ってください! (2021年8月16日 11時) (レス) id: 27565d6148 (このIDを非表示/違反報告)
懐中電灯 - ん゛ん゛好きです(唐突)更新頑張ってください！ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 1e8e7af11e (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち - めちゃくちゃ好みの作品です…！作者様の無理のない程度で更新楽しみにしております！ (2021年8月15日 21時) (レス) id: 15807a80a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - ういいいいいい好きです… (2021年8月15日 16時) (レス) id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年8月15日 1時
