【鬼滅の刃】存在がうるさい。

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｢アﾞーーー早く！！くる！鬼が来ちゃうよ！｣





私が登っている木まで辿り着いた善逸は、号泣しながら木を揺さぶっている。否、大木故に木は全く動かず善逸が揺さぶられている。

善逸に追いついた鬼たちは木と善逸を囲むように並び、ニヤリと笑みを浮かべた。





｢へっへっへ、お前逃げ足だけは早かったが、弱そうだなあ。……ん？｣

｢この匂いは……近くに稀血がいるのか！？探せ！！｣

｢いやその前にまずこの金髪だろ｣



｢ねええええ！！誰かあああ｣

『……』





仕方がない。一応顔見知りだし、目の前で人が喰われるのもなんだかな……降りるか……。

泣き喚く金髪野郎に盛大な溜息をついて、2本の刀を持ちそこから飛び降りる。

軽く着地すれば、善逸は｢どわっ！！？｣と見開いていた目をさらに開かせた。





『私を巻き込むなっての。この前のと合わせて借し2つね』

｢うえっえっA！？Aじゃん！！！？｣

『うるさい鼓膜死ぬ』





私だと分かった途端に次は｢た、助かった……！これで俺生きれるよまだ生きれるうう｣と私を揺さぶってきた善逸。正直鬱陶しい。ちょっ、鼻水つけんな！

まさかまた会うとは思ってなかったけど。

この前ｰｰｰそれは私と善逸が初めて会ったときのことである。私が家出したての頃だった。

当初ちょっとヘマをして素が出すぎたから、善逸には今更猫は被れない。

まあ私と善逸の出会いについてはまたいつか。





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