初詣 ページ9
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「あけおめ」
「おめでとう〜」
なんて、新年を迎えた瞬間もこんな緩く始まった私達。
お互い実家に帰ろうか迷ったけど二人ともすぐ帰れる距離だったので年が明けてから二人でどっちの家にも行けばいいという話になった。
二人でコタツに入ってゴロゴロしていると、ともやが急に「初詣行かね?」と言ってきたので朝起きて私たちは今神社にいる。
二人でお賽銭を入れて手を合わせてお祈りをする。
私は「ずっと二人で仲良くやっていけますように」とお祈りをしておいた。
ちら、と横を見ると私より少し長くお祈りをしていたともや。
「…何お祈りしてたの?」
「言ったら意味ねぇじゃん」
ちぇっ、と思いつつも二人でおみくじを引く。
「ね、せーので見よ」
「はいはい」
なんかちょっと馬鹿にされた気分。
「せーの」
二人同時に開いたおみくじはともやが大吉で私が末吉だった。
「お、やった。俺大吉だ」
「…私中途半端に悪いやつだ。…あっ、恋愛今は駄目ですだって…はぁ…」
「…俺がこの人なら幸福なりって書いてあるからいいんだよ」
わかりやすく落ち込む私をみて面白がりながらも励ましてくれる。
「まぁおみくじなんて忘れようぜ。腹減ったからどっか行こうぜ」
「私もお腹すいたー。あ、明日はお買い物行こうね。服とか買い占めるんだから」
「へいへい。飯食ったら実家行こうな」
「あ、そっか。うん。行こうね」
そう言って当たり前のように手を繋いで車へ向かう私達。
おみくじなんて関係ないくらい幸せだからいいや。
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作者名:ななみ | 作成日時:2019年11月20日 2時