春（joichiro.f (ページ7)

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昔々ページ7

平野「Aちゃーーん！」

『ちょっと待って～』

平野「じゃーん！」

平野「平野とうじょーう！」

『わ、わぁ！』

『びっくりしたあ』

さっきまで外に居たはずなのに

紫耀くんはいつのまにか私の部屋にいた

平野「遅いねんもーん」

『ごめん～』

『もうちょっと待ってー』

中学２年生になった私たちは

今では慣れた制服を着て、

学校へ向かった

『いってきまーす』

平野「ふあぁ、なんか今になって眠くなってきたあ」

『寝ながら歩かないでね？』

平野「分かってますよーう」

たわいもないことを話していると

学校についた

クラスが違うので先に紫耀くんが教室に入る

平野「Aちゃんまたね～え」

『紫耀くんばいばい！』

紫耀くんと別れてからは、

とても憂鬱だ

美菜「うわ、来た」

『…』

日菜子「あ、これあげるー」

そういわれると、あぁ、何かあるな、と思い

そっと目を閉じた

次の瞬間上から思いっきり水を掛けられた

今は冬、寒くない訳がなく、

私は直ぐさま保健室へ行こうとした

平野「Aちゃーん、教科書忘れてもーた」

平野「貸してー」

日菜子「い、いまAさん居らへんよ！」

美菜「トイレ行ったよー！」

そんな２人を押しぬけて紫耀くんの所へ行く

美菜「あ、ちょっと！！！」

紫耀くんにはいじめられていることも

それが紫耀くんを好きな２人が嫉妬してやり始めたことだとも

何も言っていない

平野「A、？」

紫耀くんが呼び捨てにするときは

いつもとは違うオーラを感じる

『何の教科？』

平野「おい、それじゃねぇだろ」

いつもと違う口調、それにみんな驚いている

日菜子「え、」

平野「おい、お前ら」

平野「お前らがAのことこんな風にしたんか」

美菜「ち、ちがうよー」

日菜子「私たちは見てただけで、」

平野「A、こいつらが言ってるの本当か？」

そう言って私の目を見つめながら肩を抱いた

私は、泣くのを抑え首を振った

平野「お前ら最低だな」

そんな言葉を紫耀くんから聞いたのは

初めてで、つい涙が抑えられなくなる

平野「いっぱい泣いてええで」

そんな言葉を聞き、私は思いっきり泣いた