春（joichiro.f (ページ1)

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はじまりページ1

私は、盲目だ

起きて、目を開けても

周りは一面黒

一身上の都合により越してきた大阪の高校に

今日から行かなくてはならない

盲導犬のスフィアに連れられてクローゼットへ向かい、服を着替えた

また憂鬱な学校生活が、

はじまる

___

先生「みんな聞いてると思うが、今日は新しいクラスメイトがくる」

先生「はじめは環境になれないと思うが、仲良くやってくれ」

先生「今から入ってもらうが、そうすると色々聞きたいことが出てくると思う」

先生「それでも、彼女の話を聞いて、彼女のサポートをしてやること」

先生「では、A、入ってきてくれ」

『はい』

私が入った瞬間、驚きと動揺の声が聞こえた

盲導犬を連れ、目を瞑った私は

異様に見えるのであろう

先生「しずかに」

先生「では自己紹介をしてくれ」

『AAです』

『私は』

『盲目です』

『この犬は盲導犬で、スフィアと言います』

『盲導犬ですので、ペットの様には扱わないでください』

『ひとりひとりの顔が見えないので、声で判断しなければいけません』

『それでも、あなたたちと仲良くしたいのです』

『普通の人間として、扱ってもらえれば』

『それがいちばんの幸せです』

『よろしくお願いします』

みんな、ちゃんと聞いてくれた

でも反応がない

すると、１人の生徒が立ち上がった音がした

藤原「俺、藤原丈一郎」

藤原「Aさんが座る席俺の隣やから」

藤原「俺が、連れてったる」

そんな言葉が聞こえ

私が喜びの涙をこらえながら

『ありがとう』

と呟くと

藤原「クラスメイトなんやから助け合うべきやん」

そんな声にもう一度、力を込めて

『ありがとう』

と声をかけた

すると、

大橋「おれ！大橋和也！」

大橋「プリン大好き！」

大橋「藤原だけじゃなくて俺とも仲良くしてな！」

大橋「Aちゃん！」

『ありがとう』

『よろしくね』

私は、入ったばかりで、

こんな優しくしてもらえるとは思ってなくて、

フレンドリーなみんなの姿に驚きを感じ、

もう一回みんなに

『本当に、ありがとう』

と心を込めて伝えた

これをいい様に思ってない人が

いるとも知らず