私はアンタに牛乳パンを投げつけた。【及川徹】

. ページ2

*




今日は月曜日だ。

バレー部が休みの日。

それに私も部活が休み。

今日は一緒に帰ろって誘ってみようと思う。

彼氏の及川徹はいつもの大きなエナメルバッグを

持ってきていない。







「おはよう、及川。今日一緒に帰...」


「おはよー。あ、ナナちゃん〜
昨日クッキーありがとうね！」







あ...行っちゃった。

ナナちゃん、昨日クッキーあげたんだ。

及川、私の言葉なんか聞かないで

小走りで廊下へなんか行ってさ。

...嫉妬したらダメ。

ナナちゃんは可愛いんだもん。

そりゃ当たり前だよ。

また後でちゃんと言おう。







だけどやっぱり嫉妬しちゃう。

授業の内容なんかすっぽかして悩んだ。

...なんなの、私の作ったクッキーは

美味しくないっていうの？ムカつく。






「はぁ...」







ため息ばっかついてると、

いつの間にか四時限目の授業が終わった。

そうだ、お昼ご飯誘ってみようかな。

及川の席に向かうと、及川が私に笑いかけた。

少しだけ顔が火照った気がした。






「お、及川...ご飯一緒に食べない？」



「ごめんごめんA、俺バレー部の皆で
食べる約束してるから。ごめんね？」



「う、ううん！そっか！」



「じゃ！」





あーあ、また断られちゃった...。

今日はついてないや。

もう誘うのはやめよう。

はいはい、諦めますよ。

私はナナちゃんにもバレー部にも勝てません。

弁当のフタを開いた。





「うっわ、ピーマンはいってる...っ」







何もかも私の前から消えちゃえ。





*

.→←好きの定理を教えてくれよ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す