Beaming . (ページ7)

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迷子ページ7

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「やばい、… 楽屋どこ」

蒼弥と一緒に出演させてもらう番組の収録日。
お手洗いを済ませておこうと1人で楽屋を出た。

勿論お手洗いは同じ階にあったはずだし
来た道を真っ直ぐ戻ってきたつもりだったのに。

忽然と姿を消した楽屋と蒼弥。

そう、何を隠そうかなりの方向音痴なのだ私は。

そして方向音痴は来た道を戻るのも難しい。
きっと同志は分かってくれる。
どっちから来たのか分からなくなるんだもん。

スマホも楽屋に置きっぱなしだから連絡も取れないし。
焦りすぎてどれくらい時間が経ったかも分からない。

とりあえずしらみつぶしに探すも一向に見つからない。

「蒼弥ぁ〜 … 、」

情けなく名前を呼んだところでガチャりと
数メートル先の扉が開いた。

顔だけ出してキョロキョロしている蒼弥と目が合う。

狩「どこまで行ってんの、」
「 … 蒼弥〜！」
狩「うわなになになに！」

一目散に楽屋へ飛び込んで蒼弥に飛びついた。
安心して少し涙目になっている私を見て目を丸くする。

狩「何、なんかあった？」
「いや、あの … 」

何も言わない私を無理矢理ひっぺがし、
深刻な表情で聞いてくる蒼弥。

対して恥ずかしすぎてなんと言えばいいのか分からない私。

ん？、と優しい声で頭を撫でられて。
まるで小さい子供を安心させるみたいに。

狩「言いたくない事？」
「 … 迷子」

狩「は、」
「ただの迷子です！！」

そう言った瞬間死ぬほど笑い出す猪狩。

狩「馬鹿じゃないの幾つだよ！」
「ちゃんと来た道戻ってきたのに楽屋無くなってた」
狩「あっただろ！あーもう、心配して損した」

その後も笑い続け弄り続け。
穴があったら入りたい。

「もううるさい！優しく慰めて！」
狩「はいはい怖かったねえ〜」
「雑！」

それでも鞄の中でマナーモードになっていたスマホには
メールも着信も入っていたし、きっと探しに行こうと
して顔を出していただろうから。

「心配かけてごめんね」
狩「謝る事じゃない。大切だから心配するだけ、勝手に」

でも携帯は携帯しろ、と怒られた。

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