Beaming .

フラグ ページ28

.









「 おはようございます！ お願いします 」
「 Aちゃん今日も宜しくねー 」





今日は1人でドラマ撮影 。
所謂スペシャルドラマで主人公の妹役として出演する 。

撮影は中盤に差し掛かっており最初は緊張して
心臓が縮み上がっていたけど 、かなり解れてきた 。



演技の仕事は楽しくて凄く好き 。
台詞覚えるのも意外と得意 。

高校時代はあんなに英単語も数式も
全然覚えられなかったのに不思議なものだ 。



目の前に広がる作り上げられた異質な空間に
いつも胸が高鳴って仕方が無い 。





『 日南さん本番お願いしまーす 』





すうと息を吸い込んで 。
目の前の"別世界"へ溶け込んだ 。







−−−
−−
−







監督にも共演者さんにも沢山褒められて
ふわふわとした高揚感が占める 。


ペコペコと挨拶をしながら控え室に戻る足取りは
軽くて勢いでバク宙でもしてしまいそうなくらい 。
調子に乗るな私 。ニヤけるな私！


そう思いつつやっぱり嬉しくて 。
誰かに言いたいなあと思ったとき
思い浮かぶのは5人の顔 。

いつもふざけてばっかりだけど
こういう時は沢山褒めてくれるんだよね 。




宮「 なんか嬉しそうだねえ 」
「 あ 、宮嶋さん 。お疲れ様です 」




声を掛けてきたのはドラマで共演中の宮嶋さん 。
ひょろっと背が高い塩顔？系の俳優さんで
最近ドラマや映画が忙しいんだと本人から聞いた 。

かなり気がけて声を掛けてくれるのだけど
ちょーっと距離感が近くて困る 。





宮「 今日上手くいったんだ？ 」
「 はい 、でもまだまだなんですけどね 」
宮「 そんな事ないよ 。Aは絶対売れる」
「 あはは ... ありがとうございます 」





その後もうだうだよく分からない話が続いて
仕舞いには何故か宮嶋さんの自慢話が始まった 。

今日マネージャーさん別現場だから居ないし 。
何とか抜け出そうとしても難しくて 。
ジリジリ近づく距離に冷や汗をかいていたとき 。






瑞「 お疲れ様です 、井上です 」




突然現れたのは瑞稀くんで 。

ニコニコと笑顔を貼り付けたまま 、
声だけは控え目にしながら間に入ってきてくれた 。






.

.→←寝る子は育つ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す