一軍ヤンキーと陰キャちゃん その6

偶然の相談相手 ページ7

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結局その日は1日誰とも話さなかった。というか、話せなかった。
話しかけに行って、まだ無視されたら？その都度、自分で自分の傷を抉ることにしかならない。



…昔から、嫌われることなんて慣れっこだったのに。あの人達にまで嫌われたら、もうどこをどう治せばいいのかわからなくなる。何が原因なのか。何がそうさせてしまったのか。






家に帰る足取りも重くて、前に進むだけでも精一杯。とりあえず公園のベンチに腰を下ろした。



＿＿＿＿またここで友達を失うのかと思ったら、あまりにも怖くてすぐに涙が湧き上がってくる。情けないから、早く引っ込め。







「……？」
ジ「Aちゃんじゃん」


俯いた視線の先に足が見えて、顔を上げると高い位置にジェシーくんの笑顔があった。


ジ「なーにしてんの、こんなとこで」
「…あ…、休憩、？」
ジ「ははっ、休憩してんの 笑」
慎「ジェシー！」


さらっと隣に腰を下ろしたジェシーくんに泣いてることがバレていないか、それだけが心配。慎太郎くんの声のすぐ後にこちらへかけて来る足音が聞こえる。



大「やっぱAちゃんだったんだ」
優「なんか、元気ない？」
北「どうしたの？」
樹「師匠達となんかあった？」



…相変わらず、ヤンキーというのはどうしてこうも鋭いのか。
心配そうな顔してこちらを見る彼らを前に、何よりもまず言葉を交わしてくれたことにホッとした。話してくれた。良かった。


＿＿＿またあの頃みたいに、誰とも話が出来なかったらどうしようって。
そこがまるで異国の地で、そこに何も持たずに放り投げられたような絶望に浸らなくて良かった。



大「泣いてもいいから、話してくれる？」


ぎゅっと下唇を噛んでみても無意味に涙はポタポタと落ちて、必死に拭いながら一つ一つ彼らに話した。





何か、解決策があるかもしれない。
私の悪いところを、彼らはわかっているかもしれない。それを口にしなかっただけで。



だとしたらちゃんと聞いて受け止めなければ。
そしてそれを治さなきゃ、また同じことを繰り返すだけだから。

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