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「…?ラウールくん、」
ラ「…あ、Aちゃん?」
「どうしたの?なんかあった?」
そう聞けばしょんぼり、って効果音なんてないけどそんな効果音が付きそうな表情でさらに肩を落とした。
ラ「…チョコ」
「チョコ?」
ラ「俺貰えなかった、」
「……えぇ!?」
言葉が一瞬では理解出来ずに数秒考えてやっと声が出た。なんと…ラウールくんがチョコ貰えないなんてことあるのか…
いやでも、よくよく考えればこの見た目である。高身長に小さい顔でそのパーツはどれも整っているし足もべらぼうに長い。高嶺の花じゃないけれど、そう思わざるを得ない要素をこんなにも持ち合わせている訳で。話せば可愛くて弟気質なのが伝わってくるけど、話さなければ確かに近寄り難いのかなぁ…気後れする女子が居るのであれば、納得はできる。
だってモテない訳ないんだから。
ラ「…もぉ〜なんで…」
「…みんな緊張してるのかも、ラウールくんかっこよ過ぎて、」
ラ「…そんなことない、」
…これは完全に拗ねてしまったようです。
でも無理もないか。こんだけ学校内が盛り上がってるのに貰えなかったら気持ちも沈んでしまう。背の高いラウールくんが、いつもよりすごく小さく見えた。
「…よし、わかった」
ラ「…?」
「ラウールくんまだここに居る?」
ラ「え、まぁ、お休み終わるまでには」
休憩は10分。まだいける。
「ここで待ってて、すぐ戻ってくるから!」
ラ「え!Aちゃん!?」
自分の教室まで階段を駆け上がりながら、最初に渡辺くんと会った時のことを思い出した。あの時もこうやって階段ダッシュしたっけ、絆創膏の為だけに。まぁでもあの時はまだ初対面みたいなものだったし、2人きりで保健室にいるのが気まずすぎたってのがあるけど。
カバンの中に押し込まれたシワになった紙袋からラッピングした包みを掴んで、再度階段を駆け下りた。しぬ…しんどい…寝不足にこのダッシュはしんどすぎる…、
自販機近くにまだラウールくんが居て安心した。
「…ごめ、おそくなっ、て…よかった、まだ居た…、」
ラ「そんな走らなくても…、待っててって言われたから居るよそりゃ、笑」
少し引いたような顔したのは気のせいだと思っておこう。優しく笑うラウールくんに、至極当たり前のことを言ったんだな私はと改めて思う。
「これ…、よ、良かったら、」
ラ「…え、え、」
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薄荷(プロフ) - ほのかさん» こちらこそ返事遅くなりまして申し訳ございません!!!リクエスト本当にありがとうございました!😭楽しくなっちゃって長くなりましてすみません…← またいつでもいらしてくださいね!(ノ*°▽°)ノ (2022年8月8日 19時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - くるの遅くてほんとごめんなさい、SixTONES出していただき嬉しいです!とっても面白かったです!! (2022年7月31日 10時) (レス) @page18 id: a8a2258928 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - めあさん» コメントありがとうございます!可愛くなっていましたかっ…!嬉しいです(;▽;)またいつでもお越しくださいませ!ありがとうございます(ノ*°▽°)ノ! (2022年7月9日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます!ご希望された内容に添えていましたでしょうか…(;_;)いつもありがとうございます!またお気軽にお越しくださいませ!☺️ (2022年7月9日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - 弱りあべをリクエストしたものです……!!;; 陰キャちゃんもあべくんも可愛くてにこにこしちゃいました、、ありがとうございます〜〜!!T_T♡ (2022年7月7日 9時) (レス) @page50 id: 0a5cc878cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薄荷 | 作成日時:2022年4月1日 18時