一軍ヤンキーと陰キャちゃん その4

. ページ24

聞こえた声はラウールくんで、振り返ると岩本くん深澤くん阿部くんと4人でこちらへ歩いて来ている。ラウールくんは両サイドの男の人を全く見ずに目の前にくるとにこにこと笑っていた。

ラ「待ち合わせの時間過ぎたからどうしたのかなって」
「…ぅえ、！？あ、あぁあごめんっ、」
深「なぁもう早く行こうぜ俺行きたいとこあんの」
阿「お腹も空いたしねぇ、お昼何食べる？」
岩「まぁ他のみんなにも聞いてみるか」

まるでそこには私と彼らしかいなくて、他の3人ははなから居ないような素振りで話し続ける4人。ラウールくんは俺めっちゃお腹空いた〜とか言いながら呆気に取られる男の手をするりと肩から離して肩を組み直した。

「え、ぇ、ちょ、…」
『は？ちょ、おい、』
『なにお前ら、』
向「なにしてんの〜みんなして」

そのまま背を向けて歩き出そうとする所を止める声と向井くんの声が重なった。

宮「揃ってるなら早く行こうよ」
佐「俺も腹減った〜」

そのうちひょっこり現れた他の5人も、同様に一切向こうは見ない。目が合うのはこちらだけで、声をかけてきた3人がだんだん不快な顔になっていく。…だ、大丈夫かな、

『おい、お前らなんなんだよ、』
『つか誰』
渡「…は？お前らこそ誰だよ」
目「なんか用？俺らに」

そこで漸くみんなが振り向いて、3人はその圧力が凄すぎたのか黙り込んだ。肩を組むラウールくんの力が心做しか強くなってググッと身体を引き寄せられる。

宮「聞こえなかった？」
ラ「"俺ら"になんか用でもあるの？」

ここは結構な人通りもあるから目立っていて、3人はバツが悪そうに顔を見合わせてそそくさと去っていった。


ラ「Aちゃん大丈夫だった？なんにもされてない？」
「…ぇ、あ、だ、大丈夫、です、」
深「最近Aちゃん可愛いんだからさ、気をつけてよ」
「はい、！？」

真面目な顔して何を言い出すかと思えば。
冗談にしては笑えないです。

阿「告白されてすぐ後にナンパされてんのは流石に心配だからね」
「いやそれはその…どっちも冷やかしというか…」
岩「そういう問題じゃねぇから」
渡「あと冷やかしだけじゃねぇし」
目「もっと自覚持って」

自覚ってなんの自覚ですか……、
煮え切らない私にまぁ俺らがいるから大丈夫、と宮舘くんは優しく笑いながら頭を撫でた。












(神山涼狩様！お待たせしてしまい申し訳ないです！リクエスト本当にありがとうございました！またお気軽に来て下さいね！)

あの日の話→←ナンパってやつです

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す