. ページ36
阿「なんか悔しいからAちゃん今度どっか行こうよ、2人で」
「…ぅえっ、！？」
向「俺も！てか同じクラスやのになぁ俺ら、全然2人で行けてへんやん！」
「…そ、それはでも…みんなと行ってるし…、」
佐「それじゃダメなんだよねぇ、俺とも今度行こ？ドッグカフェとか！」
そうやって言われると、みんなで行くことは確かに多かったけれど2人でっていうのはあまりなかったように思う。みんなでワイワイするのも楽しいし好きだけど、2人だとそれぞれの話を聞けるからそれはそれで楽しかったりする。
「…ふふ、笑」
ラ「ん？どしたの？」
「…んーん、なんか、変な感じだなって、思って…」
去年の今頃、私は一人だったから。
昼休みだって放課後だってお休みの日だって、いつも一人で。遊ぶ友達なんていないから、外に出ることも少なくなった。家族でたまに出かける時以外に必要もないから、洋服も買わなくなったんだ。
ほんの少しの時間で、友達がこんなに出来るなんて。あの頃の私はきっと信じてくれない。
しかもこんなにも頼りになって、こんなにも安心出来る人達だよって。だから、大丈夫だよって教えたい。
目「何が？」
「…なんでもない、…行こう、楽しみ、」
みんなでも、2人でも。
心の底から笑っていられる大切な人がいるのは、こんなにも幸せなんだな。みんなと会うまで知らなかったことが沢山ある。
宮「Aちゃん、」
「ん？」
宮「それ、やっぱり似合ってるよ」
「…ありがとう、初めて着た、こういうの、」
宮「でもみんな、似合うって言ってたでしょ。言ったじゃん俺。俺らはAちゃんのことちゃんと見てるよって」
騒いでるみんなを尻目に近づいてきた宮舘くんの笑顔はいつも通り優しくて、落ち着いていた。
宮「また、買いに行こう？」
「…今度は私がお金ちゃんと払いますっ、」
あの時も今も、みんなもきっとわかっていて聞かないでいてくれる。あまりにも自分に自信が無いこと、自分を認めたがらないこと。マイナスの言葉の呪縛に囚われて、オロオロしてる私の手をちゃんと取ってくれた。
笑うこと一つ勇気がいることだったけど、それを当たり前にしてくれたみんなにはいつかちゃんとお礼を言わなければ。
早く！と急かすみんなについて行こうと足を進めたら、ふくらはぎにスカートの裾がくすぐったく触れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2950人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薄荷(プロフ) - 乃亜さん» コメント、そしてリクエストありがとうございます！おぉ！いいですね(∩´∀`∩)続編の章での執筆となってしまいますが必ず書きますのでまたいつでも遊びに来てください！(´；ω；｀) (2021年11月9日 15時) (
レス) @page46 id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
乃亜(プロフ) - 更新楽しみにしてました^^*。需要があるかは分かりませんが、康二くんと二人の放課後を見てみたいです！ゆっくりの更新でもとても楽しみにしているので主様のペースでまたの更新を楽しみにしています！ (2021年10月21日 20時) (レス) @page35 id: ff393a1240 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 絵美さん» コメントありがとうございます！リクエストいいですね！更新は遅くなってしまうとは思いますが是非とも書かせて頂きます！またいつでもお越しください(o^∀^o) (2021年10月21日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！！そのお言葉本当に嬉しいです(；；)更新遅くてすいません…またいつでもお越しくださいね(*´▽｀) (2021年10月21日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
絵美 - 初めて読みました。とても面白いです。リクエストは、よろしいでしょうか？主人公の家にみんなが遊びに行くのとか見たいです (2021年10月13日 15時) (レス) id: 8e0e6c836c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薄荷
| 作成日時：2021年7月12日 11時
