一軍ヤンキーと陰キャちゃん

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岩「…え、なに、Aメイド着るの、」
「き、着ない着ないっ…男子と一緒に裏方やる、黒服さん」

男の子達は黒いスーツみたいなやつを着るらしいので、私も黒いスーツみたいなのを着て大方裏での作業に回ろうという予定である。

宮「…照ちょっとホッとした？笑」
岩「そりゃそうだろ、あんな短いスカートとか駄目」
「あ、岩本くん短いスカート好きじゃないの？ロング丈のメイド服着る子もいるらしいよ？」
渡「…ふははっ、笑」
岩「あ、いや違う、そういうことじゃなくて、ほら、冷えるじゃん」
「あ、そういうことか。優しいね、」
岩「…いや…うん…？」


お客さんの好みに合わせる！と女の子達は色んな種類のメイド服を買ってきていたけど、なるほどこういう色んな意見があることを予想していたのか。まぁ岩本くんは心配から来ているようだけど。
一軍女子の皆様は男子の考えてることをわかってるんだ、すごい。


深「でもAちゃんのメイド服見たかったなぁ」
目「あれでもふっかさんチャイナ服派ですよね？笑」
深「ちょ、おい言うなっ」
ラ「えー俺も見たかったー」
「いやいやいやいや似合わないからあぁいうのは…」


まぁ、恐らく一軍女子のことだから私が裏方を希望しようがしまいが必然的に陰キャは裏方に回るように仕向けられていたと思う。これは卑屈になってるとかそういうことではなくて、自然なクラスの流れなのだ。それにあんな可愛い服は可愛い子が着てこそ。今頃某安さの殿堂で購入されたメイド服達も喜んでいることだ。


佐「じゃあ康二は黒服？」
向「そー。暇やねん男は！一応客の前にも出るらしいけどな。ほら」


先程黒いスーツを先生から何着か借りて着てみた写真を見せて、似合うー！って話してる。向井くんは細身でスタイルがいいから、それはそれは着こなしていた。


目「先輩もスーツ着るんすか？」
「うん、お母さんの借りようかなって…持ってないし、」
宮「でもそれも似合いそうだね、Aちゃんなら」
「……えぇ…、」


相変わらず褒めてくれるなぁ…、当日は母親のオフィスカジュアルみたいなやつ借りよう。
裏方と言っても何かを作ることもないしジュースやケーキを提供するお手伝いだし汚れたりすることもないはず。きっとそんなに難しくないと思うけど…迷惑かけないか不安…。

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