. ページ35
.
瞬間、何やらよく分からない感情がふっと現れた。モヤモヤとしたそれは嫉妬みたいなそんな可愛らしいものではない。自身を卑下してばかりいた自分に嫌気が差したのだ。そう思うと、あそこに戻る理由はない気がした。というより、その理由を探そうとしなかった。あんな風に楽しげに話している中に入っていく勇気なんてあるはずもない。こういうのは、昔から嫌という程理解してきた状況だ。"空気を読む"、"察する"ってこういうことのような気がする。多分。
どこか目立たない所にいようと、ウロウロしていたら人とぶつかった。
「…っあ、すいません、っ、」
『いえ、大丈夫？』
「はい、大丈夫です、すいません、」
違う制服だから、他校の男子らしい。突っ立っていたのは私の方なのに申し訳ない。
『全然大丈夫。1人？誰かと待ち合わせ？』
「ぇ、あ、いや…友達と、来てたんですけど…はぐれちゃって、」
なにやってんの〜とそこへゾロゾロと5人くらい、同じ制服の男子がやって来る。
『なに、1人？友達いないの？』
「…え、ぇ、あ、えっと、」
『友達来るまで俺らと遊ぶ？笑』
『てかその友達も一緒でいいじゃん』
「…えぇ、あの、」
『何人？どんな子？』
質問に答えようとしても矢継ぎ早に言葉が飛んできては被さってきてなかなか言葉を発せられない。というか質問しといて答えを待たずに話されると会話にならない…
『ここだと人数いたら狭いからカラオケ行く？』
『いいじゃん、行こ？』
『ここじゃなくても遊べるしさ』
「…あ、いや…あの、」
深「ふーん、何して遊ぶの？」
執拗に言葉を掛けてきていた1人の肩に深澤くんが手をかけていた。男子の隙間から割り込んで入ってきた9人に背中で囲まれたこの状況は何故か私が捕らわれてるみたいになってる。大きいなみんな。
岩「誰？お前ら」
『え、なに、』
『ちょ、おい、こいつら…』
お互いに視線を合わせて、見るからにやばいって顔をしてる。
渡「何して遊ぶのかって聞いてんだけど」
阿「"友達"も一緒に遊んでくれるんじゃないの？」
『…ちょ、やばい、行くぞっ、』
阿部くんのあざといけど真っ黒な笑顔がコワイ。顔を見るなりバタバタと逃げ出した所を見ると、そこまで不良っぽくない今の人達ですら深澤くん達のことを知っているのか。そう考えると心臓がひゅってする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2609人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薄荷(プロフ) - なつチビさん» コメントありがとうございます！本当にそのお言葉嬉しいです(;_;)最近は更新が遅くて本当に申し訳ないです…またいつでもお越しくださいませ！(´∇｀) (2021年6月24日 0時) (
レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
なつチビ(プロフ) - 続編本当におめでとうございます！！更新が楽しみで仕方ないです！！ (2021年6月20日 23時) (レス) id: d99cfef0c8 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 結衣さん» コメントありがとうございます！こちらこそ来て下さり感謝です(T_T)更新遅くて申し訳ありません…またお気軽に来てくださいね(´∀｀*) (2021年5月28日 1時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 続編ありがとうございます！！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: e8590fba58 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - rikatoranosukeさん» コメントありがとうございます！！続編始まっちゃいました(；・∀・)小ネタみたいなものが続いてしまうかとは思いますが、お気軽に読みに来てくだされば嬉しいです(T_T) (2021年5月24日 0時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薄荷
| 作成日時：2021年5月22日 15時
