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目「お待たせしました、お嬢様」
入れ替わりで目黒くんが注文したコーヒーとケーキを運んできた。先程までのやんちゃな彼はどこにもいなくて、執事の設定をしっかり守っているようだった。
「…あ、ありがとうございます、」
目「…またお付き合いしてくださいね」
ふっと笑みを浮かべた彼はどこかずるい表情をしていて、予想外の言葉にこちらがびっくりする。どう返していいのかわからなくてわたわたしてたら「ふは、先輩パニック、笑」と楽しそうに笑った目黒くんがごゆっくり、と立ち去った。
付き合ってくれたのは、彼の方なのに。
学校のこういう行事が、楽しいと思える日が来るとは。楽しいはおろか、どうにか時間が早く過ぎ去ることしか考えていなかったのに。友達がいるということがこういう時にも気持ちがふっと軽くなるきっかけになるんだと初めて知った。深く考えずに、純粋に楽しいと思えた。
＿＿＿＿＿…
ラ「お嬢様、このクマは？」
「え、あ…、さっき目黒くんが射的で…」
ケーキを平らげて帰り際、お見送りしてくれたラウールくんが私の抱えるぬいぐるみを見て呟く。あっ、しまった。目黒くんとか言ったけどここでは執事さんだった…これはあれか、呼び捨てとかにした方が雰囲気出るのか。忘れてた。
ラ「ふーん…目黒はすーぐ抜け駆けしますね」
「…ぬ、抜け駆け…？」
ラ「…妬きますよ、僕」
めめ、と甘ったるく呼ぶいつものラウールくんではなくて、しっかり設定を守っているのか呼び捨てにしてる。接客してる目黒くんをチラッと見て視線をこちらに戻すと、ぬいぐるみの頭をぽふ、と掴んだ。
「…ラウールくん、？」
ラ「ま、いいや。お気を付けていってらっしゃいませ」
執事喫茶では『ありがとうございました』とは言わず、あくまでお出かけするという意味で『いってらっしゃい』と言われると聞いたことがある。どこかのテーマパークみたいで、なんだかワクワクした。
ラウールくんは鼻から息を抜くときっちりとお辞儀してくれて、廊下を歩きながら振り向いた時にはいつもみたいに楽しげに手を振ってくれた。
(※更新遅い上に長々とすいません…！文化祭編終わりです！次からまた小ネタになるかと思いますがよろしくお願いします！)
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薄荷(プロフ) - なつチビさん» コメントありがとうございます！本当にそのお言葉嬉しいです(;_;)最近は更新が遅くて本当に申し訳ないです…またいつでもお越しくださいませ！(´∇｀) (2021年6月24日 0時) (
レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
なつチビ(プロフ) - 続編本当におめでとうございます！！更新が楽しみで仕方ないです！！ (2021年6月20日 23時) (レス) id: d99cfef0c8 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 結衣さん» コメントありがとうございます！こちらこそ来て下さり感謝です(T_T)更新遅くて申し訳ありません…またお気軽に来てくださいね(´∀｀*) (2021年5月28日 1時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 続編ありがとうございます！！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: e8590fba58 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - rikatoranosukeさん» コメントありがとうございます！！続編始まっちゃいました(；・∀・)小ネタみたいなものが続いてしまうかとは思いますが、お気軽に読みに来てくだされば嬉しいです(T_T) (2021年5月24日 0時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷
| 作成日時：2021年5月22日 15時
