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中には謝ろうとする人間もいるけど誰もそんな言葉聞かない。声を出す人間は言い訳だろうが虚勢だろうが片っ端からトドメを刺していく容赦の無さ。
深「…誰に頼まれた、」
『…っ、なにが、』
深「誰に頼まれたかって聞いてんだよ、」
いつもの優しい声ではない深澤くんが起き上がろうとする男の背中に足を置いて見下してる。絞り出すような声で少しずつ話し出す言葉を聞いた深澤くんは、岩本くんとアイコンタクトすると鼻で笑った。
あぁ、そういえばこの2人は最初に会った時からそうだった。言葉を多く交わさずに、まるで無意識に背中を預けているような。
深「…ふーん。はいどーも」
深澤くんはいつもみたいに軽いトーンでそう言うと、思い切り背中に足を踏み付けた。
岩「……A、」
へたり込む私の元に歩いてきたみんなの表情にはもう怒りのそれは消えていて、眉を下げて困ったような顔をする岩本くんがしゃがむ。
岩「…ごめん、」
「…ぇ…な、なん、で、」
突然謝られる理由がわからなくて、たどたどしい聞き返しの言葉が漏れた。
岩「依頼されたって言ってたけど、俺らへの仕返しもあったからさ」
深「俺らと一緒に居たらこんな目にまた遭うかもしんない」
佐「それでもいい、？」
一緒に居てくれる？と聞いてきたのは佐久間くんだった。先程までにこやかに殴り倒していた人とは思えない優しい声色。
『一緒に居てもいいですか』＿＿＿どうして、彼らがそう聞くんだろうか。元々あった輪に入り込んだのは私の方なのだ。それなのに、どうしてそんな不安な瞳をするんだろう。
阿「今日だって、ちょっと遅れたら何されてたかわかんないでしょ」
渡「ほんとになんにもされてない？リボンとかボタンとか切られてんじゃん」
物理的にも精神的にも守ってくれる人がこんなにいて、当人たちは一切怪我なく戦ってくれたのに。
みんながいてくれることに安心しているのは、私だけなのかな。
向「…一緒に居てもええの？Aちゃんは」
不安な瞳をする彼らが心配で、でも来てくれたこと助かったことに安心して、混乱してまた泣いた。声じゃなくて嗚咽みたいなものしか出なくて、ゲホゲホと咳き込みながら何回も何回も頷いた。
岩本くんに頭をポンとされて目黒くんが上着を少し乱暴に肩からかけてくれた。手を引かれると、ゆっくり立ち上がらせてくれる。
そのままその日は送ってくれた。何も言葉は交わさない、静かな帰り道だった。
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絵美 - 初めて読みました。とても面白いです。リクエストとかは、やらないですか？ (2021年10月13日 9時) (
レス) @page16 id: 8e0e6c836c (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 名前さん» こんばんは！コメントありがとうございます！そんなそんな！返信遅くなりましてすいません！(；；)なんて嬉しいお言葉…こちらこそ本当にありがとうございます！続編もありますのでいつでもお気軽に遊びに来てくださいね(´；ω；｀) (2021年9月10日 15時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - こんばんは、毎回コメントを残した気にって残せてなかったの申し訳ないです！新しいお話を書いていだける度初めから何度も何度も読ませてもらってるのですが全く飽きず毎回好きが増してしまいます…大好きな作品に出会わせてくれてありがとうございます！ (2021年8月8日 23時) (レス) id: 251fba0053 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - ユキトさん» なんとなんと！そんな大層なものではないのですが…少しでもお力になれたら嬉しいです(T_T)おそまつさまでした！またお待ちしております！ (2021年4月24日 13時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 薄荷さん» 書くのに疲れた時は又読み返しさせて頂きます！胸きゅん癒しありがとうございます。ごちそうさまでした（笑） (2021年4月21日 18時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷
| 作成日時：2021年4月8日 13時
