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ボタンをナイフで一つずつ弾かれて、二つ目が切れた所でドアの向こうから物凄い音が聞こえた。何かが倒れた音…？直後に男の悲鳴やら短い呻く声やら色んな声と音が混ざっていて、何かが起こってるってことしかわからない。目の前にいる連中も何事かと顔を見合わせて焦り出してる。
『なに、なんの音』
『え、やばい？』
『は？何やって、』
言葉の途中で聞いた事ない音がしてドアが開いた。どんな力が入ったらそんなこと出来るんだろう？って瞬間に思ったくらい、一発で蹴破られたドアの蝶つがいがひしゃげてる。ドアってこんな簡単に壊れるものなのか…
そこには、ラウールくんが立っていた。
『お前っ…ぅわっ、』
連中の言葉なんて聞こうともせず、長い足と腕で一掃していくラウールくんの眼は血走っている。怒りに任せて壁に叩きつけられたり蹴りが顔に入ったり、生々しい音が部屋に響く。
ラ「…先輩っ、大丈夫、！？」
目の前にしゃがみ込んだラウールくんの瞳は一瞬でいつもの優しいものに変わって、先程とは別人みたいだった。
ラ「ごめん、遅くなってごめんねっ、何もされてない？」
「…ラウール、く、」
ラ「今解くからっ、」
後ろに回り込んだラウールくんが鎖を解いてくれてる音がする。何か言わなきゃ。何を言えばいい？目の前で見たことない顔で回し蹴りしていたのは、ほんとにラウールくんだったのか…そんな訳の分からない疑問が浮かぶほど、彼の先程の目は血走っていた。
「…ラウ、く、あの、」
ラ「大丈夫、もう大丈夫だよ。みんな来た」
「み、みんなって…」
ラ「今向こうにっ、」
焦っているのかなかなか鎖が解けなくて、どれだけキツく巻き付けたのか。後ろで必死になるラウールくんを見ていたら足音が聞こえて、振り向くとまた別の男がドアの所に立っていた。既に顔には傷がある。目が合って、暫く時が止まった。
『おい！』
他に何人の仲間がいるんだろうか。部屋の外に聞こえるように声を出して、走ってくる音がする。
「ラウくっ、来るっ、」
ラ「まって、！」
「…駄目、！」
もう涙でボロボロで、何にも力が入らない。いくらラウールくんでも、一人で大人数相手に出来ない。単語しか口から出なくて、首を戻すと目の前に先程の男が居て笑っていた。…のに、身体が後ろに吹き飛んだ。
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絵美 - 初めて読みました。とても面白いです。リクエストとかは、やらないですか？ (2021年10月13日 9時) (
レス) @page16 id: 8e0e6c836c (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 名前さん» こんばんは！コメントありがとうございます！そんなそんな！返信遅くなりましてすいません！(；；)なんて嬉しいお言葉…こちらこそ本当にありがとうございます！続編もありますのでいつでもお気軽に遊びに来てくださいね(´；ω；｀) (2021年9月10日 15時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - こんばんは、毎回コメントを残した気にって残せてなかったの申し訳ないです！新しいお話を書いていだける度初めから何度も何度も読ませてもらってるのですが全く飽きず毎回好きが増してしまいます…大好きな作品に出会わせてくれてありがとうございます！ (2021年8月8日 23時) (レス) id: 251fba0053 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - ユキトさん» なんとなんと！そんな大層なものではないのですが…少しでもお力になれたら嬉しいです(T_T)おそまつさまでした！またお待ちしております！ (2021年4月24日 13時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 薄荷さん» 書くのに疲れた時は又読み返しさせて頂きます！胸きゅん癒しありがとうございます。ごちそうさまでした（笑） (2021年4月21日 18時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷
| 作成日時：2021年4月8日 13時
