鯨骨生物群集：16 ページ18
「クッソ、くそ、クソクソクソクソクソ、A、AAAA、俺の。俺のAが汚れてまう。、っは、A、A、にいちゃんが守ったる、汚いカス共からロボロにいちゃんが守ったるでな、A、A‼︎」
イヤフォンを耳の奥から掻き出して握り潰した。地面を強く蹴って、何度もウサギを殴って引き裂いたのに、それでも怒りは収まらなかった。
Aとお揃いの白いウサギがズタズタになっている。
Aに送ったウサギも、今頃こんな姿になっているのだろうか。
可哀想、可哀想なA。汚い男に取り囲まれて、きっと死ぬほど怖い思いをしているに違いない。こんな大切な時にそばにいてやれないなど、なんて自分は馬鹿だったのだろう！四六時中そばにいて、Aのことを守ってやらなくてはならなかったのだ！盗聴器だけでは足りなかった！
必死に神経を張り巡らせて、ロボロはAを見る。A、可愛いロボロの妹。『みる』ことのできるロボロならば、愛しい妹の周りを見ることなど赤子の手をひねるよりも容易い。それが例え、幾つも部屋を隔てた向こう側だったとしても、ロボロには見える。ロボロは貴方の目玉を食べているから。
「っ⁉︎…ｶﾋｭｯ、ヒュッ、A、や、や。嘘、A、、嫌、…ッ‼︎‼︎」
「ゔ、ぉ”え」
胃が締め上げられるような感覚に、ロボロは吐いた。食べた夕食は全て胃液と共に胃の中から出ていってしまった。呼吸が浅い、息が詰まる。胃液の味やら酸欠やらで、ロボロはまた吐いた。抑えようと口元に当てた手の隙間から吐瀉物を撒き散らしている。げえげえ息をして、それからまた吐いた。
ーーー、可愛い妹、自分だけの愛しい妹が、見知らぬ男に、茶髪のオトウトとやらに接吻を落とされている。額に、たかが一つの軽い接吻。それでも、されど接吻。あの、可愛らしい白くてすべすべしたAの小さな額に、男が、自分以外の生き物が！
それはあまりに受け入れ難い光景で、ショックだとか殺意だとかの感情の波に押し流されながら、ロボロは何度も吐いた。
漸く息が落ち着いたのは、視界がロボロの自室に切り替わってしばらく経ってから。吐瀉物特有のツンとした不快な匂いに鼻奥を刺激されてまた吐きそうだったし、顔は涙やら鼻水やら吐瀉物やら唾液やらでぐちゃぐちゃだった。
汚された、可愛い妹が。汚されてしまった！
それは酷く、ロボロを動揺させた。
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雨蛙躑躅(プロフ) - コメント返信のやり方を漸く理解いたしました‼︎返信が遅くなってしまい誠に申し訳ございません🙇♀️コメントをくれた皆様、大好きですぞ〜！！ (4月14日 12時) (
レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - 惨事さん» コメントありがとうございます！だんだん全てが覆って、次第に壊れて何もかもが無くなる、かもしれないですね！汚く醜い生態系に存在価値があるのかどうか、雁字搦めになりながら沢山想像して欲しいです！これからも完結目指して頑張ります！ (4月14日 12時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - かぼちゃピースさん» コメントありがとうございます！この深海で紡がれる不安定な生態系にアナタが雁字搦めにされていたら、作者はとても嬉しいです！これからも頑張ります！ (4月14日 12時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - まるちゃん生麺さん» コメントありがとうございます！ちゃんと貴方のしきゅ…お腹から生まれている唯一の、おっと。ここまでにしておきましょう！ (4月14日 12時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - リトマス試験紙さん» ありがとうございます！沢山の方々にお気に入り登録や評価、コメントをもらえて雨蛙は本当に幸せです‼︎コメントが届く度に飛び上がって喜んでます！雨蛙の描く悪夢みたいな世界を楽しんでいただけたら、雨蛙はこれ以上ないほど幸せです！ (4月14日 12時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨蛙 | 作成日時：2024年2月7日 17時
