鯨骨生物群集：53 ページ9
神様、天使様。
ニンゲンなんかよりも、もっとずっと高尚で、それでいて美しくって、何よりも優しい。どんなシャオロンのことだって受け入れてくれる。神様、天使様。
誰よりもAを崇拝し、病的なまでに愛している。そんな神の下落ぶりに、息をするのも忘れるほどに溺れていた。
食物連鎖の頂点に君臨するごとく、兄弟を蹂躙して妖艶に笑う愛しのAは、今日も致死量の愛を無慈悲にもシャオロンごときに与えてくださる。それがたまらなく嬉しいから、シャオロンは駄犬の如く舌を出して息をする。
「な、なぁ！暇やない？なんか俺に出来ることある…？」
神様の前に首を垂れて跪き、足の指でも舐めるかの如く、愛しい小さな足に頬を擦り付ける。恍惚の滲んだ目が興奮からか涙で濡れた。息が荒く、熱い。
「俺！なんでもするで！！あ、目、目玉欲しい？足、とか切り落とせばええかな？あ、心臓でも！っいや、きしょいよなぁ…殴ってもええよ！蹴る？踏ん付けてもええで！な、なぁどうしたら、俺Aの役に立てる？？」
滴り落ちた汗がAの小さな白い足の甲を濡らした。それが癪に触ったのか、可愛い足がシャオロンね顔面を蹴り上げる。鼻から垂れる血を舐め取りながら、心底幸せそうにシャオロンは笑った。
グルッペン！今は亡き死骸に成り果てた父に、言いようの無い感謝を！！
愛しいAは、お前のお陰でシャオロンを優しくも痛ぶってくれるようになったのだ！
「っは、♡…A、ははっ、♡」
横倒しに倒れるシャオロンの頭を、こめかみの辺りをグリグリと踏みつけられる。
もしかしたら、もしかしたら、優しいAは今更罪悪感に苛まれているかもしれない！けれど、それが、この行動の全てが正しいのだとシャオロンはAを肯定するのだ！だって捕食者はA、ヒエラルキーの下層に位置する愚かなシャオロン達はAに使われて初めて意味を成すのだから！
「きっしょいですね、最高に。大変カわいらしｲですよ。兄さん」
ああ最高。
可愛い妹には、最高に捕食者の才能がある。
Aが命令する度に、体の真髄が甘く痺れる。食われる、喰われる、くわれる。
他のどんな兄弟よりも、Aにとっての一番の下僕でいられたらそれでいい。
頬に飛び散ったシャオロンの返り血を舐め取って冷ややかな視線で見下すAに、シャオロンは死の間際の動物の気持ちを理解した。幸せだ。脳汁が溢れて、幸福にクラクラと目眩さえ感じた。
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雨蛙躑躅(プロフ) - 七瀬。さん» 温かいお言葉をありがとうございます！！色々と多忙な時期でして、時間の合間を縫って書いているような状況ではございますが、最後まで頑張ります！！コメント、本当にありがとうございます！！ (5月4日 8時) (
レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬。(プロフ) - すっごくすっごく面白いです！！！！この作品本当に大好きです！！作者さんの作品がどれも大好きです！！これからも頑張ってください！！ (5月2日 5時) (レス) id: 600689a398 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - えー、コメント返信の仕方を漸く理解いたしました！！遅くなって本当に申し訳ございません🙇♀️コメント毎回楽しく読ませてもらっています！！ (4月14日 13時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙躑躅(プロフ) - ロリコン女さん» コメントありがとうございます！推していただけるだなんてものすごく嬉しいです！この作品は割と世界感や流れを考え抜いてから産んだものなので、そんな風に言っていただけるだなんて、とても嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (4月14日 13時) (レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコン女 - とても、とても好きです。文の書き方とか、きちんとキャラに沿って表現されてたりとか、体の機能を力として綴られてたりとかするところがもう、ほんとに、好きです。推します。 (2月25日 23時) (レス) id: a814b6a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨蛙 | 作成日時：2024年2月23日 21時
