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なんでもないただの日常のはずなのに、なんだか世界がきらめいて見えた。
なんていうのはさすがに大袈裟かな。
いつもと同じ制服を着て、いつもと同じ電車に乗って、いつもと同じ道を歩く。
ただそれだけなのに、自分の心持ちだけはいつもと全然違った。
僕はひとつ、まわりより大人になったんだ。
そんな謎の誇らしさが渦巻いて、足取りが少しだけ軽い。
だいすきな君は、一体いまごろ何をしてるのかな。そろそろ会社に着いた頃かな。
《やっぱり今日も、学校終わったらおうちお邪魔してもいい?》
我慢できずにそんなメッセージを送る。
すぐに良いよ、と返信が来るあたり、まだ始業前なのか、それともまだ電車の中なのかもしれない。
はあ、もう、ほっぺたが緩みすぎて筋肉痛になりそう。
「……浮所、自分の顔を鏡で見たほうが良いよ」
「え?ええー??うふふふ」
「きもちわる……」
「なんだよもー!那須も早くおとなになれよ!」
「はあ?意味わかんない」
クラスメイトの背中を叩いて、鼻歌を歌いながら自分の席に座る。
教室の窓から見える空は快晴だ。
今夜は、どうやって君に愛を伝えようか。
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りつ(プロフ) - しいさん» ありがとうございます嬉しいです!!幸せな気持ちになって頂けるようちまちまと更新していきます〜! (2017年10月2日 8時) (レス) id: 7c91888883 (このIDを非表示/違反報告)
しい(プロフ) - いつも読ませていただいては幸せな気持ちになってます!!これからの更新も楽しみにしています\(^o^)/ (2017年10月2日 2時) (レス) id: ff1ac2d1a8 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - ふーさん» こちらこそお読み頂きありがとうございます〜!短い話ばかりですが少しでも暇つぶしになれば嬉しいです(*^o^*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 49628bd39a (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - りつさんのお話がまた読めて本当に本当に嬉しいです!!!!!!!ありがとうございます!! (2017年8月21日 19時) (レス) id: e57a3c666b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りつ | 作成日時:2017年8月21日 19時