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「!!Aさん!!」
「雄登くん。お風呂長かったね〜」
「なっ、なんですか!?これ!!」
まだ湿った毛先の先からぽたぽたと雫が溢れている。
肩に白いタオルを掛けたまま、お風呂上がりの真っ赤なほっぺたで雄登くんは興奮気味に叫んだ。
着ているのはいつもの青いチェックのパジャマ…ではなく、キャラクターものの着ぐるみ。
雄登くんがお風呂に入ってる間に、こっそりパジャマと替えちゃった。
某ディスカウントショップで買ってきたものに、ペットっぽく首元にリボンを付けてアレンジしてみたよ。
「かわいー!似合うじゃん!」
「ねえ、俺のパジャマ……」
「今日はそれがパジャマだよ」
「え」
ポカーンと口を開けてずるずると長めの裾を引きずる雄登くん。
その後ろのフードを引っ張って頭に被せてあげれば黄色いクマの出来上がり。かわいい。
「この前実家からたくさんハチミツが送られてきたの!雄登くんにもあげるね」
「むぐっ!むごご……」
「ちゃんと舐めて!口の周りベタベタになっちゃうよ」
用意していた大きめのスプーンで瓶の中のハチミツをひとすくい。
それからそれを雄登くんの口に思いっきり突っ込む。
とろりと溢れたハチミツは雄登くんのくちびるからこぼれて、ぽたりとフローリングにひとすじ落ちた。
「あー、もったいない」
「い、いきなり何するの……」
彼のくちびるの端から垂れるハチミツを人差し指で掬って、そのままそれも雄登くんの口に突っ込んだ。
顔を赤くしながらもぺろりとわたしの指を舐める熱い舌。
その後に恥ずかしそうに笑うものだから、彼に意地悪するのがなかなかやめられない。
「ところで俺のパジャマは…」
「イヤなの?なら脱げば?」
「うっ…これ着てます……」
「(かわいー!)」
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りつ(プロフ) - しいさん» ありがとうございます嬉しいです!!幸せな気持ちになって頂けるようちまちまと更新していきます〜! (2017年10月2日 8時) (レス) id: 7c91888883 (このIDを非表示/違反報告)
しい(プロフ) - いつも読ませていただいては幸せな気持ちになってます!!これからの更新も楽しみにしています\(^o^)/ (2017年10月2日 2時) (レス) id: ff1ac2d1a8 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - ふーさん» こちらこそお読み頂きありがとうございます〜!短い話ばかりですが少しでも暇つぶしになれば嬉しいです(*^o^*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 49628bd39a (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - りつさんのお話がまた読めて本当に本当に嬉しいです!!!!!!!ありがとうございます!! (2017年8月21日 19時) (レス) id: e57a3c666b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りつ | 作成日時:2017年8月21日 19時