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◆Leeknow
久しぶりに会ったAは、以前よりも大人びた顔をしていた。お互いに忙しくて数年会っていなかったのだから当然といえば当然だけど、思春期とは違うような、なんともいえない雰囲気が引っかかった。
ちょっと強引に問いただしてみると、泣きそうな顔で寂しかったと言われて胸が苦しくなる。
Aはいつもそうだったな、と数年前のことを思い出す。小さい頃から注目を浴びてきた分、周りの期待に応えようと頑張る姿をよく見てきた。周りが何を考えているのかに敏感で、周囲が望む姿を崩さない。国民の妹と呼ばれるに相応しく、いつも笑顔で愛嬌があった。
苦しいときほど、笑っていた。
本音を奥底に隠して、なんでもないふりをするAが本音を話してくれたことに嬉しさを感じつつも、寂しくさせてしまった理由のひとつに自分が含まれていることにちょっとした罪悪感を感じる。そんなことを言ったら、気にしいのAは二度と本音を話さなくなるだろうから言わないけど。
「そういえば、オッパはどうしてうちに来たの？」
「あー、そうそう。忘れるところだった」
久しぶりにAと話せたことが嬉しくて、本来の目的を忘れるところだった。危なかった、とバッグから四角い箱を取り出す。
「腕出して？」
「腕？」
怪訝な顔をするAを見て思わず吹き出すと、「オッパ」と怒られる。「ごめんごめん」と言いながらキラキラと光るブレスレットを箱から取り出し、Aの細い左腕につけた。
「…！、可愛い」
「
俺の従姉弟である5歳上のヌナは昔からAのことを可愛がっていた。ソウル郊外でハンドメイドのアクセサリーショップを営んでいる彼女から連絡があったのは1ヶ月ほど前のこと。ちょうど、Aが代表選手に選出された後だった。
「Aに何か贈りたいんだけど案ない？」と聞かれて、普段着けていたお気に入りのブレスレットが切れたとテレビで話していたことを思い出し、ヌナが作ったブレスレットはどうかと提案したのだ。
「ミノも店に来い」なんて一方的な呼び出しをくらい、ブレスレットのパーツ選びをさせられたかと思えば、「届けてきて」と言われる始末。ヌナが作ったのに良いのかと躊躇していると、「あんたは口実がないとAと会わないでしょ！」と思いっきり背中を叩かれ今に至る。
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作者名：こはる | 作成日時：2024年2月11日 22時
