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部屋を出て、廊下を歩く。
こういうとき、Aが行く場所は決まっている。
「やっぱりここにいた」
薄暗く、人通りの少ない階段。
そこに、両膝に顔をうずめて座るAの姿があった。
「隣、座っていい？」と聞くと、小さく頷く。
どこからか、リハの音源が聴こえてくる。
長い間沈黙が続いていたが、ぽつりぽつりと話し始めた。
『本当は分かってるの。私が無理して倒れないように言ってくれてるって』
Aには前科がある。
他人の体調の変化には鋭いのに、驚くほど自分の体調には疎い。
よく高地が「限界無視して突っ走る」と言うけど、「限界に気づかない」のほうが正しいんじゃないかって思ったりするくらい。
『慎ちゃんが心配してるのは分かってる。でも、私全然練習参加できてなくて、焦っちゃって失敗して…慎ちゃん怒らせちゃった』
「…俺もさ、舞台の仕事でリハに参加できないときは不安だよ。焦るし、空回りする」
焦る気持ちは分かる。
「でも、俺が参加できなかったところはAがいつも教えてくれるでしょ？それと同じだよ。誰もAのことは置いていかない」
『…うん』
「俺は頼ってもいいと思うよ。慎太郎はダンス得意だし、喜んで教えてくれると思う」
『慎ちゃん、呆れてるかな』
「それはどうだろう？」
ちょっと意地悪をしたくなって、敢えて否定せずに言うと、「やっぱりそうだよね…」と項垂れるA。
喧嘩をしてシュンと落ち込む姿は、小さい頃から変わらない。
そんなAが可愛くて、昔と同じように頭を撫でる。
「うそうそ。昔からでしょ？Aの性格くらい慎太郎だって分かってるって」
昔から俺と慎太郎とAは一緒の仕事が多かった。
俺と慎太郎が喧嘩をすると、一人っ子で喧嘩慣れしてなかったAはよく泣いていたっけ。
それでも月日が過ぎれば次第に慣れて、慎太郎とAが喧嘩をする姿を見ることも多くなった。
2人のことを心配そうに見つめる樹の姿もよく見た気がする。
2人が喧嘩したときにAの側にいくのはいつも俺。
今も昔も変わらない。
「そろそろ戻れそう？」
『うん』
その後はお互いに謝って一件落着。
Aは休みながら練習に参加して、遅れた分は慎太郎に教えてもらっていた。
部屋に戻ったとき、Aよりも不安そうな顔をしていた慎太郎を見て笑いそうになったのはここだけの秘密。
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こはる(プロフ) - 美紀さん» �気飽�き続きコメントありがとうございます。更新頑張りますね！美紀さんもお気を付けくださいね。 (2020年5月7日 21時) (
レス) id: a20fee66df (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 千紘さん» コメントありがとうございます！クイズに関してはいつか書きたいと思っていたので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月7日 21時) (レス) id: a20fee66df (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してますコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月7日 19時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
千紘 - 東大王やクイズなどは書けますか？いつも楽しみにしてます。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: 57238377df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こはる | 作成日時：2020年5月1日 17時
