1日はあなたから始まる (ページ20)

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20日目ページ20

グクも言ってたけど、私達は

〝おはよ〟以外で話したことがない

『よし。明日がんばろ』

グクと会話をする。

なんてほかの人から見たらちっちゃくてくだらない

目標をつくった。

でもグクとの会話は私にとってどんなに緊張するか。

『はぁ。寝よ。明日の私がんばれ。』

『はぁ。朝来ちゃった。』

今日はちゃんと会話らしい会話をする。

ってことでいつもより顔の準備に時間をかける

だって話すってことは、何秒間も顔合わせなきゃでしょ？

なのに顔崩れてたらだめじゃん

『んーーいいかな』

制服もしっかりと着崩す。←

玄関にある鏡で全身を見てチェック

『うん。おっけい。』

鏡の中でファッションショー

なんてマンガと歌の世界だけだと思ってたけど

まさかする日がくるなんてね

『いってきまーす！』

いつも通りチャリに乗って出発する。

すごい緊張してるけど

すごい楽しみ。

私の通学時間は早くて6分。

『ついちゃった。』

あくまでも、ミナを待ってるだけ。

ついでに、前を通るグクに挨拶をしてるだけ。

そう。ついで。

と思いながらも、ほんのり赤色がつくリップを塗り

直す。

5分ほど待った頃、友達と一緒に登校するグクが見えた

会話だぞ。会話。

ふぅ。

『グク！！おはよ！』

｢おはよ笑｣

『…っ』

｢？？｣

今私はなにかを話そうとしたけど

なにを話そうか考えてなかったからとまどっている。

だっておはよって言ったあと、なんの話すればいいかわかんなくない？

電話なら時間がたっぷりあるから、くだらない話もできるけど

登校中だよ？駐輪場だよ？

てことで口開けたまんま言葉がでないでいる

｢ん？笑｣

挨拶したあともグクから視線をはなさない私を

キョトンとした可愛い笑顔で見つめてる

かわいすぎる。

『あっごめんなんでもない…』

｢ん、そう？笑わかった笑あとでね笑｣

はぁ。どこまで神対応なの。

結局はなせなかったし。

でも今日は始まったばっかだから。うん。

がんばろ。