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22話 ページ22

Kazunari.side






「…………翔ちゃん?」





信じられない。俺は少し震えた声で彼に問いかけた。その声は雨で霞んでしまうほどの声量の小さい問いかけだった。
そんな俺とは裏腹に驚きも見せずに優しく微笑んで彼は縦に頷いた。「そうだよ」といつもの口調で断言した。









「……あれ、泣いてるの?」

「…泣いてねぇーよ……雨で濡れただけ」









そう、雨で濡れただけ。
なのに、どうして目がにじむのだろうか。それもきっときっと雨のせいだ。

すると、彼は近づいたかと思えば、頭の上に柔らかい触感をした物の重みを感じた。それは彼の痩せて筋肉のある手が俺の頭に乗っけて、撫でていると悟れることが出来た。









「……翔さん?俺、子供じゃないんだし……」

「ふふっ…ニノって意外と寂しがり屋だもんね」

「……うっせ」







笑っているけど翔ちゃんだって目が潤んでいるんじゃんかとこれ以上、皮肉に言おうとしても、どうしても声が霞んでしまう。

一生会えないかと思った。そう思うといつも目が少し潤む。いつも目を擦って自分を誤魔化していた。









正直、半分もう、歌えないんだなって諦めてた。









「……やっぱり、翔ちゃんだ。夢じゃない 」

「………こっちの台詞だよ。もう誰とも歌えないんだって思った」








目を擦りながら目の前の出来事をまだ受け入れられない。彼の体の温もりは夢なんかじゃない。
その様子を見て翔ちゃんも同じことを考えていたみたいだ。









そして、翔ちゃんは落ちた俺の折りたたみ傘を腰を下げて拾って、俺に差し出した。
俺は相槌をうって折りたたみ傘を広げた。

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秋桜(プロフ) - まひるさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!なるべく更新していきたいです! (2016年8月2日 21時) (レス) id: e5616a094a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - はじめまして!たまたまこの小説を見つけて読んだらとても面白くてはまりました!これからも読みます! (2016年8月2日 19時) (レス) id: 0b74a6977a (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - ルリさん» いつもありがとうございます!一応女です!(( なので少し文章が変なのかもしれません!すみません! (2016年3月24日 18時) (レス) id: e5616a094a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - あのーっ!いつも楽しく読ませてもらってまーっす! ......何ですが!夢主って、男ですか?女の子ですか? (2016年3月24日 16時) (レス) id: e8737af675 (このIDを非表示/違反報告)
那奈(プロフ) - さなさん» ありがとうございます(*˙˘˙*)!!応援よろしくお願いします!! (2016年3月2日 14時) (レス) id: e5616a094a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那奈 | 作成日時:2016年1月10日 11時

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