嘘つきシンデレラ

シンデレラ17 ページ17

……ここどこ





目を何度こすっても同じ景色が広がる。
いつも過ごしていた汚い小屋と全く違うのは見ればすぐに分かる。







ふかふかな大きいベッドに白い壁、大きなソファに大きなドア。



ここはどこだ……









「！！」









立ち上がった際に見えた服。
舞踏会で着ていたドレスではなくなっていたが、ずっと来ていた汚い服でも無くなっていた。



私の知らない、持っていない服。
現実の世界でも持っていなかったかもしれない









タイミングよく部屋に響くノックの音。
失礼しま〜す、と高い声で入って来る女の人。
服が………メイドっぽい？秋葉原にあるような感じの……あ、でもスカート長いからちょっと違うか……









「あ、目覚まされましたか」



「はい………いや、あのここ何処なんですか？」



「ここはジョンハン様のお屋敷ですよ？」









What！？









「お、おや、おや、え？！」



「お屋敷です」



「まじ？」



「ま、まじとは……」









まじかよ…………
ジョンハンさんってお屋敷持ってたの？流石王子………









「あの、この服って」



「ああ、ドレスで来たと思ったらいつの間にか小汚い服に変わってましたので勝手にお着替えさせて頂きました！！お気に召さなかったのなら申し訳ありません……」









どんどん顔に集まっていく熱。
お着替えしたってことは、私の裸を見られた…ということであって…………私……私………



お母さんにも見られたことないのに！！←









パン！と手を叩き「あ、ジョンハン様から伝言を預かっておりましたのをすっかり忘れておりました！」と言って笑う女の人。
すっかり忘れておりました！って……可愛いけど……可愛いけど……！？









「目覚めたら俺の部屋、だそうです！では！」









パタンと閉まるドア。
嵐のような女の人だったな……



ていうか「目覚めたら俺の部屋」って、ジョンハンさんって動詞足りない人なんだね









大きなベッドから体を出す。
ズキズキと痛む頭を抑えながらドアノブに手を掛ける。









おっと、ジョンハンさんの部屋がわからない。

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