嘘つきシンデレラ

シンデレラ13 ページ13

ソクミンさんが馬をバシンッと叩くと馬車が加速する。






空を飛ぶ馬車。
上から見える夜景は凄く綺麗で、もしシンデレラの世界に入ってなかったら見る事のできない景色だったかもしれない。








DK「Aさん」







少し安定してきたのかソクミンさんが私の座ってるところの向かい側に腰掛けた。







DK「僕会った時なんとなく、というか本能で思ったことがあるんです」




「本能？なんですかなんですか？」




DK「Aさんって、








外界から来ました？」









…………え？






外界って、ソクミンさんの言ってる外界って




シンデレラの外




絵本じゃなくて現実の世界ってことだよね？







「外界……」




DK「はい。何かが原因で絵本の、シンデレラの中に入りましたか？」







やっぱり……、






もしかしたら、ソクミンさんも外から来た人なのかな？


じゃないと外から入ってくるなんて言い方出来ないよね







「実は、2日前にシンデレラの絵本を持ったまま転んでしまったんです。それで、起きたら小屋にいました」




DK「やっぱりか。実は僕も外から入ってきたんです」




「入ってくる直前は何をされてたんですか？」




DK「姪にシンデレラの本をあげようと思って本屋で買った帰りに転んでしまって、目覚めたら執事になってました」









ソクミンさんは執事としてこっちの世界に入ってしまったのか……









「あれ？でも何で馬になってたんですか？」







さっき確か、ソクミンさんは馬から人に変身した筈。
もともと執事として入ってきたのに何故馬だったんだろう？








DK「お恥ずかしい話ですが、魔女に魔法をかけられてしまいまして」




「それは…スニョ美さんでは」




DK「いえいえ！あの人は命の恩人なのです。スニョ美さんと同じ魔法使いですが、その魔法の使い方を間違えた悪い魔法使いがいるんです」




「やっぱり、そういう悪キャラは出てくるんですね」




DK「はい……困りますよ。早く元の生活に戻りたい」







本当に困ったように眉を寄せたソクミンさん。









そうですね、の一言が出て来なかったのはこの世界を楽しみ始めている私がいるからかもしれない

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