自 販 機 の 横

ドアの向こうで ページ10

ウジさんに迷子になった事を伝えると少し笑われて、楽屋まで案内してくれた。

ウジさんと話してた場所を右に真っ直ぐ歩いて2つめの角を曲がった所に自分の楽屋があった。



そういえば、私に散々泣かさせてくれた時は敬語ついてなかったのに案内してくれてた時は元に戻ってたなあ…

なんかちょっとガッカリ。





顔を前にむければ

【LALMA様】

とデカデカ書かれた紙がドアに貼り付けられている。
外にいても中のしんみりした空気が伝わってくるぐらい静かで。






「ごめんごめん！遅くなっちゃった！」





ドアを開けて入ると、皆驚いた顔をして振り返った。




『Aオンニ…』

「ん？」

『私……ごめんなさい！本当に！』




ははっと笑って、もう良いよって伝えた。

完全にもう良くなった訳ではないし心の傷は深いままだけど、さっき泣いたからか少しスッキリした部分があって、口から出た言葉はあんまり嘘じゃないような気がした。




本番まであと30分。
これが終わればサイン会もあるし、話せる部分は話しておこう。


ペンへの対応、マスコミへの対応、公式での発表、これからの話。

代表も交えて話した方がいいこともあるけれど、全てグループのメンバーで決めてから伝えれば……あの代表押しに甘いから大丈夫だよね。







『ペンの皆も曖昧なのは嫌だと思うので、ちゃんと真実を伝えたほうが良いと思います。私達はちゃんと表情の管理も出来るのでそこは安心してください』







ハキハキ喋る隣のマンネ。

ウリマンネ、こんなに大きくなっちゃったのか。


娘のように見守ってきた5つ離れてる彼女の成長を噛み締めながら話し合いを行った。

ペンブログーWZー→←忘れたーWZー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す