自 販 機 の 横

グループ会議 ページ3

私は、私のグループは、

本番まで後1時間しかないというのに何をしてるんだろう。





目の前にはメイクを済ませたヒジン。
円になって座るメンバーのみんな。それを端で見るマネージャーオッパ。





「ていうか、なんでオッパ言ってくれないの？」


『そ、それは私が言わないでって言ったの。オッパにも、代表にも』


『ヒジンはお前の事を考えての行動だったんだ』


「私に黙ってるのが？リーダーの私に黙ってるのが？私を考えた行動だったの？」








駄目だ。駄目だ。
このままいたら私が私じゃいられなくなっちゃう。何しちゃうか分かんない。



呼び止める声を聞こえない振りして楽屋を出た。









天井につけられてる照明をいくつ通り過ぎていくつ数えただろう。



気付けば自分の楽屋の場所が分からなくなっていた。


自分の楽屋があった廊下と同じ作りの廊下だけど、ドアに自分のグループの名前は書かれていない。








………この年で迷子とか笑えないなあ。





まあ、この状況で迷子になれてよかったのかも。頭冷やせるし。

なんて思って置いてあるソファーに座ったけど








…全然頭冷えない。


付き合ってた彼氏に実はもう一人、私以外に彼女がいた？
そのもう一人は、実は私と同じグループだった？
うわ、すごい。全然笑えない。









"ヒジンはお前の事を考えての行動だったんだ"



年上が我慢しろって事なのかな。



何てオッパの言葉を思い出して自分の歳を恨んでいると



浮かんで来たのはソギュンオッパの顔。


"Aの事何があっても守るから"








ヒジンから返してもらった自分のスマホを開く。

彼との会話は私が送ったメッセージで終わってて、



〈明日私午後からオフだけどオッパどう？〉



4日前に送った文字が少し悲しそうに見えた。

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