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✿15話 ページ17

_11月


イチョウは舞い、
紅葉によって赤と黄色に彩られてく。



《某日》


『お父さん、お母さん、来たよ。』




鬼殺隊は何時なん時、命を失うか分からない。
明日かも知れないし今日かもしれない。
ただ、それがたまたまこの季節に失われただけ。




私はそんなことを考えながら
鹿島家と書かれた墓石に手を添える。

私は、両親が鬼に負けたから鬼殺隊をしている訳では無い。
元々そういうお家だったから鬼殺隊に入る義務があった。
だから鬼に負けることも仕事のうち、誰しもある。


でも、やっぱり自分を愛してくれる両親がいなくなるほど辛いものはいと私は墓参りの度に実感する。


“もう、名前を読んでくれない。”
“もう、だいすきって言って貰えない。”
“もう、『ひとりじゃないよ』なんて言えない。”

だから私はお墓参りの度にお墓の前で泣くのだ。


『おとぅさん…おかぁさん…ヒクッ』


涙の決壊などとうに崩れた。
気が済むまで泣いてしまえ。
忘れることができないのならばここで1年に1回くらい弱音を吐いたっていいじゃないか。


『うぅッ…ヒクッ…うぁぁぁ…』


?「1人で泣いてどうにかなるの?」


『!!』バッ


勢いよく振り向くとそこに居たのは
今、会いたくて会いたくない人。


『どぅ、して。』グスッ


無「我慢しないで泣けばいいじゃん。」


無「自分の気持ち押し殺さないで素直になれば?」



『うあぁぁ!』ガバッ


時透くんの言葉に溢れた気持ちは私の体をも限界にし地につける。


『私は!!』


『もっと名前呼んで欲しかった!!』


無「A。僕がたくさん呼んであげる。」


『もっと愛して欲しかった!!』


無「両親は今も愛してるって言ってるよ。」


『1人にしないで欲しかった!!』


無「僕が一緒にいたあげる。」


『おかあさんとおとうさんに忘れないで欲しかった。』

『忘れられるのはいやだよぉ!』


無「両親は忘れてなんかいない。Aが大好きだから忘れないよ。そばにはいなくとも心で君を呼んでる。」


無「だから、1人で泣かないで。」


______________________


『〜♪』


無「機嫌いいね。」


『あれから1年だなぁって』


無「なにが?」


時透くんは私のこと忘れるけど、
お墓参りに行く日は無意識なのか着いてくる

あの日の約束守ろうとしてくれてるんだよね。



“無「僕がこれから先のお墓参り一緒に行ってあげる」”


“無「君が1人で泣かなくていいように」”


“無「約束。」”

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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羽衣(プロフ) - kanon1427さん» ありがとうございます! (2022年10月24日 13時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
kanon1427 - 更新頑張ってください‼ (2022年10月20日 21時) (レス) @page14 id: 2d87d65452 (このIDを非表示/違反報告)
れるち(プロフ) - 羽衣さん» そうなんですね!これからも楽しみにしてます! (2022年10月16日 11時) (レス) id: e5403aa85a (このIDを非表示/違反報告)
羽衣(プロフ) - れるちさん» 夢主ちゃん可愛いですよね〜。私も書いてて「可愛いな、おい」ってなりますw無一郎くんが毎回忘れてしまう切なさと同時に実は隅にあなたはいますよって言うのを意識して書いてます😃 (2022年10月16日 11時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣(プロフ) - ぺぺさん» ありがとうございます〜。そう言っていただけるの本当に嬉しいです。 (2022年10月16日 11時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羽衣 | 作成日時:2022年10月15日 3時

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