【男主】死者の記憶。新しい身体。【ヒロアカ】 (ページ12)

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死者12 ページ12

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…前の母さんが俺を嫌ってた…俺のあの優しい父さんの事も…
そして今はあの若くて少し遊んでそうな男と…。
もう何が何か分からなかった。でも今は…多分…関係ない、今は狼頭だから、

俺は貯水タンクの裏に座ってぼうっと遠くを眺めていた
雲一つない晴天、強い日差し。バイクの音や車の音が街中に響く
そんな中、屋上の扉が開く音がした

「…あれ…狼頭君居ない…」

緑谷だった。
俺を探してるってのが分かる…そしてまた諦めたかのように屋上の扉から出て戻っていく
それからチャイムが鳴るが俺は教室には戻らなかった
頭の中を整理したかった
もう涙も出ない、俺は1回死んで良かったのかもしれない。あの家庭に産まれてたら死ぬ運命だったのかもしれない

『……あははっ』

涙じゃなく、笑い声が出た。それからも笑い続けた。何がおかしいのかも分からないけど……静かな学校に俺の笑い声だけが響く、笑いすぎて涙目にもなった
…と思ったら次はそのまま涙が溢れてきた

『…あ、？なんで…？』

流石の俺でも状況が理解出来ずハテナを浮かべる
そのまま大粒の涙を流し、気が済むまで泣いた。やっぱ俺は悲しかったのかな…なんて思いながら
そして泣き止んだのはそれから数十分してから。今の時間はと時計を見る

10:30

もうこんな時間か…と思いながら立ち上がる
多分目は赤くはれているだろう…もうそんな事はどうでもいい、スッキリした
そして俺は授業が終わったと同時に教室に入った

「うおっ！…て、狼頭かー！どこに行ってたんだ！？」

「目ぇ赤いけど…大丈夫か？」

「ど、どうかしたの！？」

『…あははっ、色々あって屋上で泣いてきた』

と俺が笑いながら言うとまた声があがる
こんなクラスが俺は入学してから大好きだ