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テーブルに上がったA達3つ子は、アクアを筆頭にミヤコに話し始めた。
「哀れな娘よ。貴様の心の渇きはシャンパンでは癒えぬ」
「誰!?」
ミヤコはそう驚いた声を上げながら振り返ると、3人は横一列に並んで赤色のサイリウムを使って灯りを表しテーブルの上に座っていた。
「わ……我は神の使いである。貴様の狼藉、これ以上見過ごすわけにはいかぬ」
「神の使い?ていうか、赤ちゃんが喋っ……ウソだぁ!」
「貴様の常識だと赤子は喋るのか?信じよ」
アクアとミヤコの話し合いに今まで黙っていたAは聞こえないトーンでため息を着くと、ルビーとAにミヤコが手を伸ばした瞬間、ルビーは伸ばされた手を払い除けた。
「謹め、我はアマテラスの化身……貴様らの言う神なるぞ」
『そして私はイシュタルの化身である』
「神……」
「木様は目先の金に踊らされ、天命を投げ出そうとしている」
「天命?」
ルビーとAは迫真の演技と言わんばかりにその場しのぎの演技に全力を出しつつ、ミヤコに言った。
『星野アイは芸能の神に選ばれた娘———』
「そしてその子らもまた、大いなる宿命を持つ3つ子———」
『「それらを守護するのが、汝の天命である」』
「その行いは神に背く行為……このままでは天罰が下るであろう」
「天罰!?」
「天罰」という言葉を聞いたミヤコは3つ子の迫真の演技を見抜くことなく、あっさりと信じた。
「天罰ってなんですか、具体的には!?」
「具体的に……具体的には……」
「死ぬ」
『「そう死ぬ!!」』
ミヤコは机に突っ伏して泣き出すと、どうすればいいかと呟いた。
「簡単なこと……母と我々の秘密を守ることじゃ」
『そしてこの子らを可愛がり、言うこと全部聞くのじゃ』
「さすれば、イケメン俳優との再婚も夢ではないぞよ」
「マジですか!やります、なんでも言うこと聞きます!」
ミヤコはAとルビーの小さな手を取りそう言うと、「靴の中敷でも舐めます!」と言ってきた為、ルビーはそこまでしなくていいと言った。
その出来事とアイがアイドルに復帰して数ヶ月が経った頃、B小町はそれはもう快進撃を遂げているわけではなかった。
「今月の給料20万……ねぇ、うちの事務所給料渋いよ。この間出したシングル、オリコン3位だったよね?中抜きエグすぎない?」
「今更どうしたの……製造から流通までやってる大手と違って、うちはただの弱小芸プロ。利益が薄いのは承知の上でしょ」
ミヤコのその言葉にアイは世の中結局お金ということに気付いたと言うと、ミヤコは嫌なことに気付いたねと返した。
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作者名:レナ | 作成日時:2024年2月3日 13時