【約ネバ】鬼の世界から超常能力も存在する人間の世界へ【ヒロアカ】 (ページ5)

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律儀に頭を下げるAに顔を上げるように2人が言うと、根津と相澤が頭を下げるべきはこちらの方と言ってAに向かって謝った。

｢我々も支援者だったと言うのに、君達を助けに行けずすまなかった｣
｢君にはこれからこの学校のカリキュラムを説明しながら、この学校について少しの時間学んでもらうことになるけどいいかな？｣
『大丈夫です、向こうの世界ではいつもフルスコアを取っていたので、覚えるのは得意です』

根津と相澤はお互いに顔を見合せて頷くと、担任になる相澤が受け持つA組に向こうの事について教えると言った。

『分かりました、私達の事を皆さんにお伝えください』
｢あぁ、必ず伝えよう｣
｢では我々はそろそろお暇をさせて頂く……A、君の家族のことは我々もしっかり守るから心配せずに学校生活を送ってくれ。

それから君が住む家については、我々ラートリー家がこの国で契約している家があるからそこに住んでくれ｣

その言葉にAは頷くと、ラートリー家の人にしっかりと挨拶をした。

｢ではそろそろAさんには校長室で先程言った説明等をさせて頂くから、相澤くん君のクラスの生徒にもあの世界の事を学ぶ授業をお願いするよ｣
｢分かりました、校長｣

相澤と別れ、校長室に入ったAは初めて見るその部屋に驚きを隠せずに様々な物を見ていた。

｢早速だがAさん、君はあの世界で——から片目を代償に鳥になれる個性を貰ったとここに書いてあるけど、それについて間違いはないかい？｣
『そちらに記載されている通り、その個性を授かりました』

根津の質問にAは適切に伝えると根津は1つ頷き、その後1時間かけてカリキュラムなどの説明をした。

その頃相澤は、自身の受け持つA組でA達元食用児が暮らしていた鬼の世界と、人間と鬼が結んだ“約束”について生徒たちに授業をしていた。

｢お前たちは中学の歴史で習うことは無かったと思うが、“鬼の世界”で暮らしていた人達のことは知っている者はいるか？｣

相澤のその一言に周囲でざわめきが起こる中、1人の生徒が手を挙げた。

｢八百万、何か知っているのか？｣
｢はい、私の家では代々支援者をしていて、その世界に暮らす人達……確かその人たちを食用児と名付けられた人達をこちらの世界に送るなどの協力をしていると、両親から言われてきました｣

八百万と呼ばれたその生徒の言葉に対して相澤が頷くと、改めて全員に鬼の世界とそこに暮らしていた人達について話をした。