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鬼の世界で人間達の置き土産として残されたAを含む食用児と、A達の母であるイザベラはこの人間の世界に来てから様々なことを学んだ。
それは、個性というそれぞれの体に宿るもの、そして鬼が居ない代わりに敵という者が存在していることだった。
そんな中、Aは鬼の世界で___から貰った能力を有効活用して貰うべく、ラートリー家に日本の雄英高校の校長から直々に手紙が来たのだった。
｢度々
｢いえ……それで、今回私と私の可愛い子供たちのうちの1人であるAが呼ばれたのは？｣
この日ラートリー家の人間の1人が応接室に呼んだのは、母であるイザベラとAだった。
｢実は日本にウィリアム･ミネルヴァ……否、我々ラートリー家の35代目当主であったジェイムズの協力者であった支援者のうち1人である、日本が誇る最高峯の名門校の雄英高校校長の根津から手紙が届いたのだ｣
そう言ってラートリー家の1人がイザベラとAに直々に届いた手紙を見せた。
【拝啓、ラートリー家の方々へ
この度鬼の世界に取り残されていた人達を人間の世界に招いて頂けたことを十分に感謝しています。
最近、私共の住むこの日本にも“食用児の解放”という話が届き、個性登録をされた子もいるとの情報も聞きました。
そこで僭越ながら、今まで行動を示すことが出来なかったことを思い、我々からもその子とその家族たちのこれまでの謝罪とともにまた支援させて頂きたく、手紙を書きました。
返事は皆さんで考えが纏まってからお送り下さい。
国立雄英高校校長、根津】
その手紙をイザベラとAが読み終わったことを見たラートリー家は、改めて2人に聞いた。
｢Ms.イザベラ、この手紙を読んで貴方はどう判断をなさいますか？｣
｢私は、Aの意思を尊重したいと思います……だってこの子達は、あの世界で生き残るためにハウスから逃げ延び、多くの子供たちを見殺しにしてきた私のことをもう一度受け入れてくれたんですから……｣
イザベラはAの方に目を合わせると、ニコリと微笑んでその頭に優しく手を置いた。
『ママ……』
｢分かった……ではA、君の意見を聞きたいんだがいいかな？｣
『私は、エマ達と一緒にハウスを出てから沢山のことを未知の世界であった外で学ぶことが出来た……これはいい経験に慣れたと考えてる。
だから私は、___から貰ったこの能力をコントロールして皆を守れるような人になりたい。
だって私たちは食べられるために生きてきたんじゃなくて、自由を掴むために生きているんだから———』
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作者名：レナ | 作成日時：2024年1月24日 3時
