おかあさん7 ページ8
『戦略的に……』
｢おかあさん、わたしたちはサーヴァントだから大丈夫だよ！｣
『ジャック……』
Aの膝の上で頭を撫でられていたジャックは状態を起こすと、Aの目の前に移動しギュッと抱き着いた。
『———分かりました……ですが、サーヴァントであるジャックだけに戦闘をさせるのではなく、私もある程度戦えるようにしたいです』
｢いいね｣
そういう会話を火葬場の外でしていると、職員が外まで来てAと悠仁を呼んだ。
ジャックは霊体化しており姿は見せなかったが、Aのそばに居るということはAも知っていた。
骨だけとなった祖父の傍に佇んでいた悠仁とAは、生前に祖父から言われた言葉が頭の中に浮かんでいた。
悠仁が手を握って俯いていると、Aは何も言わずにただ悠仁の手をその上から握り返した。
｢———宿儺が全部消えればさ、呪いで苦しむ人も……少しは減るかな？｣
｢……もちろん｣
Aと悠仁で骨壷に祖父の骨を入れ終わると、悠仁はAの手を離して五条に言った。
｢あの指、まだある？｣
『悠仁……？』
万が一のためジャックは霊体化を解くと、Aを自身の後ろに移動させ、2つの短剣を出した。
｢改めて見ると、気色悪いなぁ……｣
｢(さて2本目、10分の1か……どうなる？)｣
その場にいる悠仁以外の全員に緊張が走ると同時に、悠仁の顔に宿儺の刺青のような模様が出てきて、ジャックも戦闘態勢を取った。
『っ……ジャック、待って』
｢おかあさん？｣
｢ぐはっおええっまっず……笑えてくるわ｣
その後頭に包帯を巻き、顔中に湿布や絆創膏などを貼った伏黒が火葬場に来て悠仁とAの東京行きが決まった。
東京に無事ついたAと悠仁は祖父の骨の入った墓を東京で埋葬することになり、その場にはAと悠仁、そして霊体化の解いたジャックの姿があった。
『ねぇジャック……』
｢なあに、おかあさん？｣
『サーヴァントは基本的に真名を隠すんでしょ？』
まだ五条との待ち合わせ場所に着いていないAと悠仁の間を共に歩いていたジャックにAはそう聞いた。
｢そうだよ……ずっと昔にやってた聖杯戦争っていうのがあってね。
その聖杯戦争で召喚されたわたしたちみたいなサーヴァントは過去に名を残した英霊を降霊させた者なの。
真名がバレるとその英霊の死因とか宝具とかから弱点、対策を講じられてしまう恐れがあるから、敵の前ではおかあさんとかのマスターはクラス名で呼び合うの｣
『それじゃあジャックのクラス名はアサシンだから、戦闘の時はそっちで呼ぶわね』
続く (更新停止中)
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作者名：レナ | 作成日時：2023年7月18日 15時
