おかあさん6 ページ7
あの出来事から一夜明けたその翌日、Aと悠仁は地元にある杉沢病院に訪れていた。
「ん?……虎杖、副会長」
「どんな具合っすか?……井口先輩」
Aと悠仁が目を移した先には呪いの影響で重傷を負ってしまい、意識の戻らない井口の姿だった。
「大丈夫ってお医者さんは言ってたけど、まだ意識が戻ってないの……私のせいなんだ。
私が夜の学校なんて……誘ったから」
悠仁の先輩である佐々木はそう言って泣き始めると、Aはそんな佐々木の横で背中を摩っていた。
『……佐々木さん、大丈夫よ』
「信じられないと思うけど、変な……化け物が襲ってきて、私も捕まって———」
「信じるよ……アイツらは化け物じゃなくて、呪いなんだ」
佐々木はAから渡されたハンカチで涙を拭きながら悠仁の話を聞いていた。
「あの指は特級呪物って言って呪いを寄せたり、強くする効果があったんだよ……だから悪いのは先輩じゃなくて、あれを拾ってきた俺だよ」
「はっ……」
「ごめんな……でも大丈夫。
明日には井口先輩治せる人が来てくれるから」
Aは佐々木の隣から立ち上がると、悠仁に声を掛けてその場を後にした。
2人が向かった先は火葬場で今日この日、今まで世話をしてきてくれた祖父との本当の最後の日だった。
「———亡くなったのは?」
「爺ちゃん……でも、親みたいなもんかな」
『えぇ……両親のいない私達にとっては、すごく頼もしい祖父でした』
「そっか……すまないね、そんな時に……で、どうするか決まった?」
この場には五条と悠仁、そしてAしか居なかった事もあり、Aはジャックを顕現させた。
ジャックはそんなAの膝の上に頭を乗せると、Aは優しく頭を撫で始めた。
「こういうさ、呪いの被害って結構あんの?」
「今回はかなり特殊なケースだけど、被害の規模だけで言ったらザラにあるかな……呪いに遭遇して普通に死ねたら御の字。
グチャグチャにされても、死体が見つかればまだマシってもんだ……宿儺の捜索をするとなれば、凄惨な現場を見ることもあるだろうし、君がそうならないとは言ってあげられない」
そう悠仁に話した五条に続いてAは質問をした。
『昨日
「昔読んだものをそのまま言うなればそれは令呪と言うやつで、マスターである君の証でサーヴァントであるその子への絶対命令権って聞いたよ。
その令呪で出来ることは、“復活”と“限界突破”だね。
その2つは戦略的に使う方がいい」
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作者名:レナ | 作成日時:2023年7月18日 15時