おかあさん5 ページ6
「え?姉ちゃん?」
『良かった……悠仁、貴方が無事で……本当に』
悠仁に抱きついたAは涙を流しながら悠仁にそう言うと、Aの傍に居たジャックはAの服の裾をクイッと引っ張った。
「おかあさん……」
「えっ何この子?姉ちゃん……いつ子供出来た!?」
『あ〜……この子は私のサーヴァントのジャック・ザ・リッパー……ジャックよ』
そんな何処にでもあるかのような、正確にはこんな状況下であっても会話を続けるこの姉弟に怪我をした伏黒は言った。
「動くなっ……お前はもう人間じゃない」
「は?」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁……お前を呪いとして祓う!」
「いや、何ともねぇって……それより俺も伏黒もボロボロじゃん。早く病院行こうぜ」
悠仁がそう言うと、自身の体にあった刺青のような模様がスっと消えていった。
「(今喋ってんのが呪物なのか、虎杖なのかもこっちは分かんねぇんだよ……クソッどうしたらいい)」
「———今、どういう状況?」
「なっ、五条先生……どうしてここに?」
Aは突然現れたその五条先生と呼ばれた謎の人物に目を見開いていると、またジャックが2本のナイフを手にAの前に立った。
その後、悠仁が咄嗟に飲み込んだ両面宿儺という特急呪霊とその五条と呼ばれる人物が戦い、その末に一時的に悠仁を気絶させた。
そして五条は、悠仁を心配しているAの元に視線を向け、ジャックはAを守るような体制を取った。
「それで、君とその子の関係は?」
「わたしたちとおかあさんは、契約してわたしたちはここに来たんだよっ」
ジャックがAの代わりにそう言うと、ナイフを消してAに抱きついた。
「一応聞くけど、君の名前は?」
「わたしたちは、ジャック・ザ・リッパー」
その名前を聞いて五条はハッとした表情になり、伏黒はどういう人物かを聞いた。
「19世紀のロンドンで世間を震撼させた連続殺人鬼だよ……その本質は、堕ろされた胎児たちの集合体として産まれた悪霊みたいな存在とされている……」
「ふぅーん……わたしたちのこと、すごい知ってるんだね。でもね、わたしたちはおかあさんが大好きだから、離れたりなんか絶対にしないよ!」
そうジャックはAに向けて言うと、Aは「ジャック」と優しげな声で呼んで、その小さな体を包み込んだ。
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作者名:レナ | 作成日時:2023年7月18日 15時