おかあさん2 ページ3
2人の祖父が入院している病院に向かう道中、花屋でお見舞いの花を買って2人が歩いていると悠仁が姉であるAに聞いた。
｢そういえば姉ちゃんさ、今日そのバッグの中いつもより重そうだけど何入ってんの？｣
『ようやく私の欲しかった魔術書が手に入ったの！この本の中には召喚術も入ってるから今日の夜にでもやってみようと思ってね』
そう話をしながら杉沢病院内にある祖父のいる病室に来た2人の姉弟に2人の祖父は言った。
｢来んなっつったろ。いちいち花なんか買ってくるんじゃねぇ｣
｢いつも通りじゃん。ていうかじいちゃんにじゃねぇし、看護師さんにだよ｣
｢尚更だバカ！つうか部活はどうしたよ、部活しろ部活！｣
｢うるせぇなあ、5時前には終わんの｣
『ふふっ……おじいちゃん、私も今日は生徒会の仕事が早く終わったから悠仁と一緒にお見舞いに来たのよ？』
そうどこにでもある祖父と孫の会話をしていると、Aと悠仁の祖父が｢暇な俺の話を聞け｣と言った。
｢興味ねぇし……｣
｢いいかよく聞け、最期に言っておきたいことがある。お前らの両親のことだが———｣
｢だから興味ねぇって。じいちゃんさ、死ぬ前にカッコつけるのやめてくんない？｣
｢男はな、カッコつけて死にてぇんだ。空気読め、クソ孫が｣
Aは祖父の服を畳み、悠仁は花瓶に花を差していると祖父が2人の名前を呼び、2人は祖父の方に顔を向けた。
｢お前は強いから人を助けろ。手の届く範囲でいい、救えるやつは救っとけ。迷ってもいい、感謝されなくても気にするな……兎に角1人でも多く助けてやれ。A｣
『何？』
｢お前は優しい心の持ち主だ。これから先の人生で多くの人に感謝されたり、蔑まれたりされるかもしれん。それでもお前は、思いのままに進んでいけ｣
そう2人に言うと、最期に｢大勢に囲まれて死ね……俺みたいにはなるなよ｣と、2人から顔を背けて亡くなった。
その後にも呪術高専の伏黒という青年が2人の前に現れ、悠仁が所持しているジュブツが危険性の高いものだと言ったが、悠仁はその物を持ってはおらず、今夜学校で自身の先輩が開けるからと渡したと伝えた。
そして3人は急いで病院から学校に向かって走り、閉鎖した校門の前に辿り着くと、伏黒は｢ここにいろ｣とだけ言い姉弟を置いて校舎の中に入っていった。
2人になった校舎の外で2人がいると、Aは悠仁の気持ちを尊重して助けに行くように言った。
｢でも姉ちゃんは……！｣
『私は本当になるか分からないけど、召喚術を使ってみる……もし成功したら、私もあとから行くから……行きなさい！』
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作者名：レナ | 作成日時：2023年7月18日 15時
