三百九十四話 ページ8
Noside
萩原刑事たちが病院に到着する前、黒羽の病室にいたのは、警視庁公安部に所属する風見刑事だった。
風「…黒羽さん…」
ﾋﾟｯﾋﾟｯ
という無機質かつ規則正しいリズムだけが病室に響いている。
黒羽は発見されたとき、わずかに意識があったが、病院に搬送する際に一瞬だけ心肺停止状態になった。
その後の迅速な応急処置によりなんとか一命は取り留めたが、病室に運ばれしばらくたった現在もいまだ目を覚ましていなかった。
黒羽は、自分より先に生存している警察官たちを外へと逃していた。そのせいで自分の脱出が遅れ、大怪我を負っているにも関わらず救出されるまで国際会議場内で動き回っていたのだ。
脱出できる場所がないか、探し回っていたのかもしれないと、先に脱出できた警察官たちは口を揃えていった。
一影「……」
風「自分たちが必ず…解決します、ですから、しばらくは休んでいてください…」
眠っている黒羽に、もちろん声は聞こえていないだろう。
風見は病室を出ると上司である降谷の元へ向かった。
現在の黒羽の容態を報告するためだ。
搬送途中で一瞬だけ心肺停止になったこと、現在も変わらず意識不明の重体であることを伝え終えると、降谷は苦虫を噛み潰したような表情をする。
つい先ほどまで憎まれ口を叩いていた同期が、数十分の間に意識不明の重体だ。無理もない話だった。
降「…そうか」
風「はい、復帰はしばらくできないかと…」
意識が戻ったとしても大怪我を負っている身では体を自由に動かすことは困難だろう。
降谷は分かったというと自分の車に乗り込んだ。
風「降谷さんは、この後は」
降「ポアロだ、悪いが会議には出席はできない、後での報告を頼む」
風「わかりました」
降「ああそれから、これを持っていてくれ」
そう言って取り出したのは、数十分毎、黒羽が降谷に渡したUSBメモリサイズの機械だった。
風「これは？」
降「黒羽が作った盗聴アプリだ、使い方などは追って指示を出す」
風「わかりました」
先ほど起きた爆発は、状況として事故で処理される可能性は極めて高い。
サミット中ではなく、サミット以前に起きたものだということもあるが、そうなってしまうと後々困ることになる。
降(黒羽には無闇に使うなと言われたが…それはどうやら無理らしいな…)
無闇に使っているわけではないが、使わざるを得ない事態が起きてしまった。
車を運転しながら、降谷は今後の流れを考えていた。
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神城マリア(プロフ) - 四百三十二話の次の話から三百○○話と三百になっていました。修正をお願いします (2020年4月13日 11時) (
レス) id: 72d54c6370 (このIDを非表示/違反報告)
スノーローズ(プロフ) - 神奈月貴利兎さん» いえいえ。読んでくれてありがとうございます。 (2020年3月18日 16時) (レス) id: 016474ca54 (このIDを非表示/違反報告)
神奈月貴利兎(プロフ) - スノーローズさん» すみません。指摘したつもりでは無かったんですが、、、。そういうことなんですね。ありがとうございます (2020年3月18日 16時) (レス) id: 34389c233b (このIDを非表示/違反報告)
スノーローズ(プロフ) - 神奈月貴利兎さん» ご指摘ありがとうございます。この作品の元ネタをくれた友人に確認をとりましたところ、一影さんは、組織の一環でポアロで仕事をしているという設定なので、トリプルフェイスで間違いないそうです。 (2020年3月18日 11時) (レス) id: 016474ca54 (このIDを非表示/違反報告)
スノーローズ(プロフ) - リカルファさん» ありがとうございます、治しておきます。 (2020年3月18日 10時) (レス) id: 016474ca54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノーローズ x他1人 | 作成日時：2020年3月15日 16時
