怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ47)

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三百八十四話ページ47

黒沼side

そうと決まれば話は早いとここに今夜張り込むとかいう話が出てしまった。
子供達だけでそんなことさせられるわけがない。
たとえ精神が快斗と同い年の名探偵君がいても、だ。
とは言えあまりの必死さに止めに入った名探偵君も協力しようかという空気になった。

コ「梓さん、今夜ここにカメラ仕掛けていい？」
梓「えっ、ここに、カメラを？」
安「コナン君…そこまでしなくてもいいよ…」
梓「そうよねぇ…これはお店の問題だし…」

それでも渋る子供たちに、近いうちに必ずみんなに美味しいケーキを食べてもらうと、安室は約束した。
あのケーキがきちんとできるかはわからないにもかかわらずだ。

コ「何か解決策あるの？」
安「うん、ちょっと思いついちゃった」

楽しそうだな、おい。

翌日、ポアロに来た名探偵君は、昨日の閉店後から今朝までの様子を外から店の中を撮っていたと言って見せてくれた。
協力はいいと言ったが、彼本人も気になっていたんだろう。

コ「だってストッカーが壊れていないのにケーキが崩れるなんて気になるし…」
安「君は興味を持ったらどんなことでも調べるんだね」
コ「…ていうか…」
安「？」
コ「安室さんのケーキを楽しみにしている…あいつらが悲しむからさ…」
安「…ふーん？君は大切な人の為なら…どんな捜査でもするんだ？」
コ「ん？」

こいつまたなんか企んでやがるなと思ったが、後々面倒なので黙っておくことにする。
一晩見張っていた結果はというと、特に不審な点はなかったらしい。人が出入りしたとかそういうのは。

そして今日のケーキは崩れていなかった。
別に毎日ケーキが崩れるわけではないのだ。
形崩れするのは、三日に二回ほど。それも定期的ではなく、バラバラ。
誰かが意図的に崩しているとしたら、あまりに杜撰だった。

それから三日間、コナンくんは店の外から中を撮ってくれていた。
すると10数秒間だけ店の中が見えなくなる日があった。
日付は21日に11秒間と、今日、23日に12秒間。
そしてその日付は両方とも、ケーキが崩れていた日。

コ「つまり、店の中が映らなくなった10数秒のあいだに、なにかが起きた可能性が高い…」
歩「わかった！その間に犯人がここへ入ってケーキを崩したのよ！」

しかし店には鍵がかかっていて、こわされた形跡もない。
つまりこれは不可能犯罪…犯罪か？人が侵入していたら、不法侵入に該当するかもしれないが。

光「または犯人は、この店の鍵を持っている人物…」

梓さんだって？