怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ34)

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三百七十一話ページ34

コナンside

奥さんはご主人にそう言われて悔しく、ついぞその紙のありかを聞くことは叶わなかったらしい。

奥さんの普段見ない本に挟まっているのではないかというおっちゃん。
それもそうだ。よくみる本ならすぐに見つかってしまう。

奥さんの見ない本といえば、人が亡くなるミステリーや、怪奇小説らしい。
その類の本は天井付近に収納されているとのカトだったので、そこから調べようと話はまとまったのだが、おっちゃんがまた咳をした。
ゴホゲヒガヘゲホなんて毒でも守られたのかと思うような物凄い咳。

蘭「探す前に病院で出してもらった咳止めトイレで飲んでくれば？」
園「見てるこっちが辛くなるわ…」
哀「薬飲むなら飲み物の自販機ロビーにあったわよ！」

結局おっちゃんはトイレで薬を飲むことになり、トイレに行くならと便乗した博士について俺もトイレに行くことにした。

ざわざわと人の声が聞こえるのは例の絡繰箱を展示した開けた空間だ。
あの空間の前には立札のようなものが立てられおり、そこからずらりと列が続いている。

どれだけ人がいるのかと聞かれるとちょっと数えたくない。
どこかのテーマパークの乗り物よろしく待ち時間何分と表示されそうなレベルの行列だ。立札には鈴木次郎吉氏からのメッセージが書かれていた。

《絡繰箱にチャレンジ!》
《幕末の絡繰師・三水吉右衛門の》
《絡繰箱を開けた者には》
《賞金100万円を進呈する!》
《ただし持ち時間は一人5分以内。》
《仕掛けで怪我をする恐れあり。》
《もちろん持ち逃げは禁ずる。》
《鈴木次郎吉》

男性が一人挑戦し、案の定指を刺して飛び上がった。
とはいえ列から外れる人間もいないので、チャレンジャー揃いもいいところだ。
とにかく絡繰箱を開けてみたいという人の好奇心を煽るには撃て付けの展示だったらしい。
一般人が絡繰箱を開けてしまったらキッドはどうするのだろうか。
奥さんはまあ中身を確認するだろうけど、ここに来ているかもしれないキッドはそのまま帰るだろうか。

阿「おおコナン君！そこにおったか！」
コ「トイレ長ーよ博士…」
阿「さっきからお腹の調子が悪くて…毛利くんの風邪が感染ったのかのォ…」

そんなことを話していると一人また絡繰箱に向かっていった。
なんとなく知った雰囲気の人が。