怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ30)

今日:48 hit、昨日:36 hit、合計:68,941 hit

三百六十七話ページ30

快斗side

会場に着くと兄貴は俺をバイクから下ろすなり、どこかへいこうとした。

快「兄貴こないの」
一影「会場の中に閉じ込められたらどうする気だお前は」
快「だって…兄貴いた方が心強いし…」

三水吉右衛門の絡繰箱＋未確認の鈴木大図書館だ。あの爺さんのことだから、なんかしら変な仕掛けしているんだろう。

一影「…芋づる式にばれたら終わりだぞ」
快「ぐうの音も出ない……」

じゃあ後はがんばれよと言って兄貴はそのまま何処かへ行ってしまった。
兄貴なりに何か考えているのか、本気で家とか帰っちまったのかはわからないが、ポツンと一人取り残された俺は、警官に扮してしばらく様子を窺いながら誰に化けて潜るか考えていた。
変装材料になる写真を撮りながら。

園「蘭～～～～ん！遅いよ～！ガキンチョ達来ちゃってるよ！」
蘭「ゴメンゴメン！お父さんが夏風邪引いちゃって…病院に寄ってきたから…」

タクシーから降りてきたのは、毛利探偵と、彼の娘である毛利蘭。
毛利探偵の方は結構ひどい夏風邪らしく、顔色がすこぶる悪い。
無理はしなくていいと言われたらしいが、無理を押してきたらしい。

毛(沖野ヨーコちゃんのライブちらつかされたら…来ねぇわけにいかねぇだろーが！！)

ゲホガホゴヘゲヒなんてものすごい咳をしているが、マスク外して咳してたんじゃマスクの意味全くない。
正直あの状態でいても余計に体調悪くなる気しかしない。

蘭「こんな状態で役に立つかなぁ？」
園「まあ、いざとなったらバッチリ決めてくれるって！(なーんて、本当はキッド様が潜入しやすいように…変装できる人の頭数を増やしただけなんだけどね❤)」

どうやら次郎吉氏に呼ばれたのはこれで最後のようだ。早速中に入って絡繰箱を見分してほしいという。
今回はいつもの如く顔を抓って確認などはしないし、警察も外で待機とのことで、中森警部に化けての潜入は全く意味がないようだ。

撮った写真は全部で六人。

快(んじゃぁまぁ…だーれーにーしーよーおーかーなー…かーみーさーまー…のー…いーうーとーおー…り♪)

とった写真のうち一人を選択すると早速変装の準備に取り掛かった。
月長石(ムーンストーン)