怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ23)

今日:6 hit、昨日:36 hit、合計:68,899 hit

三百六十話ページ23

黒沼side

安「結局、見つけた拠点ももぬけの殻だったらしい」
コ「そ、そっか」

寂然通が爆破されて数時間後、景や風見、もう一人の協力者の話では、調査に踏み込もうとした直前に爆破されたらしい。
ホテルの時とは違って人もものすごく多かったためか、一件目以上に犠牲者が出た。とは言えその大半は怪我で済んだのだが、それでも重症だったりとなんとも言えない状況だった。

コ「じゃあ、警察組織内に犯人グループに情報を横流しにしてる人がいるってこと？」
黒「だろうね、拠点から逃げ多せるタイミングも、爆破のタイミングも、あまりにもできすぎてる」

内通者がいなければ、タイミングよく次の行動を起こすのはかなり難しい。
警察組織内にいる内通者を早いところ突き止めなくては、被害は拡大するわ、犯人は逮捕できないわの悪循環だ。

コ「内通者に心当たりとかないの？」
安「僕たちが捜査会議に参加したときは、怪しい行動をしてる人はいなかったからね…」
コ「じゃあ、今は？」
黒「約2名、内通者として疑われてるよ」

立神雨花と雪村茜。
二人は捜査会議後、早々に部屋から立ち去り、十分ほどしてから、戻ってくるという行動をしていたために、今まさに内通者ではないかと疑いをかけられていた。

諸〔でも雪村先輩に限ってそんなことしてないと思う、風見さんに呆れられたけど、そんなことする人じゃないと思うんだよ〕
風〔雪村が内通者の線は薄いと思います…どんくさいし…〕

どちらもさっき俺と安室にかかってきた電話で伝えられたことだ。
気持ちはわからないでもない。
今まで散々仲良く関わってきた人が急に豹変してテロを起こすなど、考えたくもないだろう。

prrrr

安「どうした？」
諸〔また犯行声明が届いた！！次の爆破は明日夕刻だ〕
安「場所は？」
諸〔えっと日比谷公園付近が候補に上がってる、公園なら人も集まるからって〕

人が集まるから日比谷公園。
となると市民の混乱を避けるために少人数での捜査が必要になってくるだろう。
人員は厳選する必要がありそうだ。

諸〔それと、犯行予告の一番下の段に今までは、グループの名前が書いてあったのに全く違う文が書いてあって〕
黒「写真で送ってくれる？」

了解と言った諸伏から数分後に送られてきたのは確かにグループの名前ではなかった。
Quando isso acontece, você depende deles.(こうなった時、あなた達は彼らに依存する。)
ポルトガル語。
犯人達は誰かを誰かに依存させたかったのだ。