怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ1)

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三百三十九話ページ1

黒沼side

何でこうなるんだろうか。何でコナン君のいく先々でこうも事件が起こるのか。

園「は、波土さんが首を…」
蘭「あ、ちょっ…コナン君！？」

ステージに駆け出したコナン君を止める蘭さんの声が背後で響く。

梓「だめよエンジェル…あなたは入ってはだめ…この血塗られたステージには相応しくないわ…」
蘭「エ、エンジェル？」
梓「あホラ！蘭ちゃんって天真爛漫だし♡」
園「天使ん…ってダジャレ？」

随分苦しい嘘だが、こちらとしても事件現場に踏み込むのは遠慮してもらいたい。
できればコナン君もそうして欲しいのだが、まあ言ったところで無駄だろうから。

梓「とにかく事件の捜査は…彼らに任せましょ…(組織随一の洞察力の持ち主である…バーボンとカジノ…薬で幼児化した高校生探偵…工藤新一と…そしてあと一人…誰？)」

波土さんは安室の身長より高い位置に足がくるくらい上の方に吊るされている。
これだけではどう考えても自殺ではなく他殺としか思えない。それも複数人によるものだ。
あんな高いところに吊るすなんて機械でもなきゃできっこない。

安「複数犯でしょうか？これが一人の人間の仕業だとしたら…途方もない怪力の持ち主だ…そう思いませんか？沖矢さん…先日あなたにお会いした時、卓越した推理力を持たれているとお見受けしましたけど…」
沖「いえいえ…ミステリー好きのただの大学院生ですよ…」

沖矢昴はロープの縛り付けられている椅子の前までいくとロープを凝視して立ち止まった。

沖「ん？(ロープに何かをねじ込んだような…穴が…)」
コ(あれ？何だ？このヒモ…タコ糸？上の座席までつながってる…何だ？)

安室はステージの袖に歩いていき、ステージに取り付けてある階段に何かを見つけたらしいコナン君は上の座席の方に駆け出していった。

黒「なんかありました？」
安「ステージのそでにパイプ椅子とロープと道具箱…」
黒「ロープの切り口の形状から見て、首を吊ったロープのようですね」
安「いったい何でこんなところに」

万が一にもないだろうが、証拠になってもおかしくないのに。

コ(タコ糸の先に…野球のボール？)

とりあえず警察を呼ばないことには現場検証も何もできる身ではないし、遺体を下ろし、死亡推定時刻がわからないことには、容疑者を絞ることもできない。なんせここは関係者なら誰でも出入りできたのだから。
そういうわけで一度調査は打ち切りとなった。